「やってみたい」ができる-タトネから始まる活動の第一歩-
何かを始めたいと思っていても、場所や販路がなく一歩を踏み出せない。そんな悩みを抱える方も多いのではないだろうか。
多摩市・聖蹟桜ヶ丘の「プラウド京王聖蹟桜ヶ丘」の1階に、「タトネ」という複合交流拠点がある。ここは、地域で挑戦したい人たちのための拠点だ。
貸棚やシェアキッチン、レンタルスペース、カフェを備えたこの場所は、どのような想いから生まれ、どんな変化を地域にもたらしているのか。
そんなタトネに迫るため、今回は京王電鉄株式会社 開発事業本部 聖蹟桜ヶ丘プロジェクトチームの横尾 聡美(よこお さとみ)さん、山﨑 瞭佑(やまさき りょうすけ)さんにお話を伺った。
「タトネ」名前に込めた想い
聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩3分。駅近の好立地に位置するタトネは、2026年3月31日㈫からプレオープンの期間を経て、4月28日㈫にグランドオープンした。
店内に足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのはカラフルな空間。貸棚の商品を眺める人、カフェでくつろぐ人、静かに作業を進める人が自然と同じ空間を共有している。
かわいらしい印象を受ける「タトネ」という名称。その名称の決定に当たっては、全く異なる候補もあったという。
「当初は、“どうしてやらないんだ。やってみよう”という力強く挑発的な意味を込めた『WHY NOT』という案もありました。」と山﨑さん。しかし、施設のコンセプトに合う名称を模索する中で選ばれたのが、「タトネ」だった。”手探り”や”試行錯誤”といった意味を持つフランス語のこの言葉は、聖蹟桜ヶ丘という街にもなじむという点でも採用を後押しされた。
タトネは、地域で何かを始めたい人にとっての“第一段階”。やりたいことはあるが、場所がない、やり方が分からないなどの“手探り”の状態を受け止め、最初の一歩を後押ししてくれる場所だ。
4つの機能が掛け合わさり、挑戦を支える仕組みに
タトネには、シェアキッチン、貸棚、カフェ、レンタルスペースという4つの機能がある。これらはそれぞれが独立したサービスではなく、利用者の挑戦を支えるために相互に連携する仕組みとして設計されている。
何かを始めたいと思っていても販売場所がない人は貸棚を利用できる。飲食に挑戦したい人はシェアキッチンを活用できる。イベントや教室を開きたい人はレンタルスペースを利用できる。そしてカフェは、タトネに気軽に来てもらうことだけでなく、これらのさまざまな設備や活動を知ってもらうための機能も担っている。
また特徴的なタトネの内装にも、4つの機能が関わっている。
↑2025年12月22日の京王電鉄プレスリリースより
画像のように、タトネは当初落ち着いた色味の内装で構想されていた。
しかしロゴデザインが完成した後、方向性を見直しする。4つの機能それぞれを象徴する色彩を取り入れたロゴカラーに合わせて内装デザインも一新。より親しみやすい空間が生まれた。
一方で、急な方針転換により「本当にオープンに間に合うのか」という不安もあったと横尾さんは振り返る。それでも結果的には無事に開業を迎え、「今の親しみやすい内装になってよかった。」と話していた。
タトネ ロゴデザイン
「こういう場所を探していた」利用者が集まる理由
平日でも店内には幅広い世代の利用者が訪れる。学生の姿も見られるが、特に多いのは習い事や教室帰りの30~40代の女性が交流の場として利用している。
貸棚やシェアキッチン、レンタルスペースの利用者には、地域で新たな活動を始めたい事業者が集まっている。多くは、「何かやりたいことがあるが場所がない」「活動の場を探している」という悩みを抱えていた人。特にハンドメイド作家の方に人気があり、商品を地域に届ける販路として貸棚を活用しているという。
加えて駅近の好立地に、シェアキッチンを備えていることも珍しい。
実際に営業許可を取得し、本格的な事業活動へと発展している利用者も現れているとのこと。単なる場所貸しではない、タトネの「挑戦を支える仕組み」が、利用者のはじめの一歩を後押ししている。
地域資源をつなぐハブとしての新たな役割
貸棚の一部に、「(一社)聖蹟桜ヶ丘エリアマネジメント相談窓口」が設けられている。

聖蹟桜ヶ丘駅を挟んで反対側にある、「せいせきカワマチ」でイベントや地域での活動をしたいときに気軽に相談できる場所だ。
こうした「せいせきカワマチ」や京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターとの連携を図ることができるのも、タトネの強み。
実際に、「せいせきカワマチオープンデイ」でビューティー関連の出店を行っていた事業者が、連携により屋内での販売機会を求めて、タトネの利用者になったり、タトネのシェアキッチンの利用者が「せいせきカワマチオープンデイ」に出店した事例もあるという。
屋外ではイベントなどにより多くの方に見てもらえる良さがあり、屋内は常設の展示に向いている良さがある。その双方をつなぐ役割も担うことで、利用者の活動機会を広げている。タトネは、そうした市民の活動と地域をつなぐ「HUB」として機能しているのだ。
タトネから始まる、地域への一歩
タトネは事業のスタート地点でありながら、面白い方々と出会うきっかけの場所でもある。
せいせきカワマチのイベント出店者がタトネの貸棚を活用し始めたり、貸棚やシェアキッチンを常設店舗よりも手軽な手段として利用したりと、利用者自身が自分に合ったタトネの使い方を見つけ出している。
このような動きが広がる中で、運営側はもっと気軽に多くの方々に利用してほしいと話す。
「タトネにはさまざまな使い方があります。カフェを利用するだけでもいいですし、貸棚を見に来るだけでも良い。せいせきカワマチや京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターとの連携もサポートできるので、自分に合った使い方を見つけてほしいです。」と横尾さん。
また山﨑さんは、「気軽に使えることが、タトネの最大の魅力。迷ったら使ってみる、というくらいの感覚で活用してほしいです。これまで見えていなかった地域の活動が、集まりだしています。タトネに来れば“地域を知ることができ、地域を好きになる”そんな期待を持って訪れてもらえたら嬉しいです。」と語る。
まずは気軽に「タトネ」に立ち寄ってみる。その一歩が、自分らしい時間の過ごし方と出会うきっかけになるかもしれない。そして「タトネ」とともに踏み出す次の一歩は、地域での活動や新たな出会いへとつながっていく。
タトネは今日も、地域で挑戦したい人たちの背中を押し続けている。
タトネ tatonner
公式ホームページ
営業時間
・8:00 ~ 21:00(火曜定休)
住所・アクセス
・東京都多摩市関戸4-4-2/京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩3分
関連ページ
以前、「丘のまち」ではせいせきカワマチの記事を掲載しています。ぜひご覧ください。
・せいせきカワマチ|丘のまち~東京・多摩市に暮らす~

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