未知カフェ ~TAMA REVIVAL~
多摩市の若者世代による新たなまちづくりの拠点「未知カフェ ~TAMA REVIVAL~」が2月23日にオープンした。今回は「未知カフェ」を手がける「多摩市若者会議」の髙野義裕さんと松島耕太さんにお話を伺った。
クラウドファンディングで資金を調達
「未知カフェ」は昨年、多摩市若者会議の中で発案され、整備されることが提言された。
多摩市若者会議は、若い世代・子育て世代が「多摩市に住んでみたい・訪れてみたい」と思えるような魅力を創出・発信していくため平成29年から行っている、39歳以下を対象とした議論の場だ。その中で、大学生や若者世代が多摩市に定着してもらえるような魅力を作るアイデアの一つとして「未知カフェ」が提案された。
昨年から「多摩市若者会議」のコアメンバー(実行委員)として参加している多摩市出身で都内企業に務める髙野義裕さんは「大学生は地域に接点が無いというのが実状。みんなが集まれる場があればいいよねというのが発端でした」と当時を振り返った。
「多摩市若者会議」はコアメンバーを中心に参加する若者が自らプロジェクトを実践する場であることから、未知カフェの開業資金はクラウドファンディングサイトを通じて調達した。その熱意に打たれ、151人の支援者から目標金額の150万円を上回る、215万6千円もの支援金が集まった。
髙野さんは「若者が拠点を作るというだけでは、その後は続かないと思ったので、できるだけ地域の皆さんに取り組みを知ってもらうため、様々な地域コミュニティの集まりに積極的に顔を出しました。おかげさまで、多くの方々に支援していただいたので、目標額を突破したときは正直、ホッとしました」を喜びの顔を見せた。
内装のほとんどはメンバーによる手作り
未知カフェのプロジェクトは未知カフェ部、クラウドファンディング部、企業連携部の3部隊に分かれて進められた。
クラウドファンディングで資金を集めるさなか、実際に出店する店舗の物件探しも並行して行われた。物件探しは難航を極めたが、昨年10月に永山駅から徒歩15分ほどの、多摩ニュータウン通り沿いにあるビルの地下1階の物件を契約した。
東京農工大の大学院生の松島耕太さんは「当初はかなり散らかっていて、水も使えない中、コアメンバーのみんなで3日間大掃除することからスタートしました。壁も穴が空いていたんですが、木で窓枠を作ってLEDを点灯させることで本物の窓があるかのような装飾に仕上げました」と当時の苦労を話した。
他にもトイレを和式から洋式に改造したり、バータイプのカウンターや本棚も地元の工務店の方に指導を仰ぎながら、自分たちで作り上げた。コンクリート打ちっぱなしの店内は綺麗に清掃、装飾され、温かな明かりが灯されると、さながらバーのある秘密基地のような雰囲気だ。先日行われたオープニングパーティには、コアメンバーをはじめ、支援者、関係者が集まりオープンを祝った。
地域の課題を解決する「未知プラットフォーム」
未知カフェでは今後、多摩市や多摩市周辺の企業、大学などと連携し、多摩市の魅力向上や、地域を盛り上げるための様々なアイディアが間もなく実施される。その中でも注目は、地元の子育て世代やシニア世代を地域の人々が助け合う仕組み「未知プラットフォーム」だ。
利用者は暮らしの中の様々な困りごとを登録。AIによる「困りごとマッチングシステム」によって、引き受けた利用者がその困りごとを解決することで、感謝ポイント(未知ポイント)が贈られる。感謝ポイントは地域の協賛店舗での商品購入時に利用できたり、身の回りの困りごとを依頼する際に利用可能となる予定だ。
このアイディアは、東京大学公共政策大学院が主催する、データに基づいて地域の課題の解決に取り組むアイデアのコンテスト「チャレンジ!!オープンガバナンス2018」において、ファイナリスト賞に輝いている。
松島さんは「未知カフェは世代関係なく、市民が誰でも利用できる場。カフェとしての利用はもちろん、ビジネスパーソンにも利用してもらえるような交流会を積極的に開催したい」と今後の意気込みを話した。
髙野さんは「市の設営する多摩市若者会議のワークショップは2019年度で終わりだが、未知カフェはその後もコアメンバーを中心に企業や地域と連携し、運営して行きたい。一緒に盛り上げてくれる方はぜひ一度、未知カフェに足を運んでほしい」と話していた。
「未知カフェ」の由来はその名の通り「未知と出会える」場所。若者主体の「未知カフェ」から、まちづくりの新たな風が吹くことだろう。
- 施設名
- 未知カフェ ~TAMA REVIVAL~
- 住所
- 多摩市関戸6-6-16 ニュースカイ桜ヶ丘 地下1階
- 営業時間
- 2019年4月5日金曜日から毎週金・土曜に営業予定(18時〜23時)
- ※当面の間、不定期営業となるため来店の際には事前に下記のURLから営業スケジュールを確認ください。
- アクセス
- 小田急多摩線「小田急永山」駅・京王相模原線「京王永山」駅から徒歩15分・京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅からバス6分+徒歩1分(または徒歩22分)
- URL
- https://www.facebook.com/michicafetama