多摩聖蹟ウォーク&ラン
土曜日の朝7時。多摩川河川敷の芝生広場「せいせきカワマチ」に、少しずつ人が集まってくる。
集まっているのは、「多摩聖蹟ウォーク&ラン」の参加者たちだ。
参加条件はなく、自分の好きなペースで歩いたり走ったり。会話を楽しみながらの人もいれば、黙々と自分のペースを刻む人もいる。
今回はこの活動を立ち上げた、ランニング・ウォーキング専門店「ストライドラボ多摩」を運営する、佐藤為さんと齋藤潤さんにお話しを伺った。
高校時代の先輩・後輩がつくる朝活の場
齋藤さんと佐藤さんは、高校時代の陸上部からはじまった先輩・後輩の間柄だ。
大学時代は共にトライアスロンに打ち込み、それ以降は別々の道を進みながらもランニングを軸に、節目ごとに連絡を取り合う関係が37年続いてきた。
佐藤さんは30年以上にわたって自転車業界に携わり、現在は多摩センターで自転車専門店「バイクプラス」を運営。その一方で、聖蹟桜ヶ丘にランニングやウォーキングをサポートする専門店「ストライドラボ多摩」などを手掛けている。
齋藤さんは、長年勤務していた自治体公務員を一昨年3月に退職した。
「
退職を決意した齋藤さんに、「ストライドラボ多摩店」の店舗を引き継いだばかりの後輩、佐藤さんが同じタイミングで声をかけた。
「じゃあ一緒にやりましょうよ」
こうして齋藤さんは2024年4月から「ストライドラボ多摩店」の運営に携わることに。同時に「多摩聖蹟ウォーク&ラン」の活動が本格的に始まった。
走ってもいい。歩いてもいい。休んでもいい。
活動開始当初、参加者はわずか3人。
それでも毎週欠かさず続けるうちに、少しずつ輪は広がっていった。
今では、聖蹟桜ヶ丘周辺だけでなく、近隣の市や横浜方面から参加する人もいて、多い日には30〜40人ほどが集まるまでになった。
活動は、毎週土曜日の朝7時から。
SNSで情報発信はしているものの、雨天中止の連絡は基本的にはない。
「走れたら走る。雨なら雨で、夏場はむしろ涼しくて気持ちいいこともあります。
来たくなったら来ればいいし、今日はやめておこう、でもいいんです」(佐藤さん)
イベントとしては決して集まりやすい時間ではないが、それでも佐藤さんは「土曜の朝に少しだけ早起きすると、その日がすごく長く使えるんですよね」とにこやかに話した。
開始前には、簡単なストレッチで体をほぐす。
その後はウォーキンググループとランニンググループに分かれ、
「せいせきカワマチ」を起点に多摩川沿いを巡る約4キロのコースを周回する。
2つのグループは反対方向に進むため、途中で何度かすれ違う。
「走るのがきつくなったら、
途中からウォーキングに切り替えてもいいし、
その逆でもOKです」(佐藤さん)
すれ違いざまに参加者同士で交わす挨拶や笑顔も、
この活動ならではのコミュニケーションだ。
「ゆるい」から、続いていく
この活動の特徴を尋ねると、
齋藤さんは迷わずこう答える。
「ゆるいところですね。自分のペースでやれる。
だから歩いてもいいし、ゆっくり走ってもいい。
みなさんに朝活の習慣をつけてもらいたいんです」
この日も誰かが号令をかけるわけでもなく、
自然とペースごとの小さな集団ができていく。
「土曜の朝から動こうという人たちは、みんな優しくて、雰囲気がいいんですよ。
僕らが引っ張らなくても、参加者同士で勝手に仲良くなっていくんです」(佐藤さん)
マラソン大会に一緒に出場したり、トレイルランに出かけたり。
参加者同士の別の“つながり”が、静かに生まれているという。
「多摩聖蹟ウォーク&ラン」の活動はその“ゆるさ”が特徴だが、佐藤さんと齋藤さんは、活動を長く続けるため最低限のスタンスとして、いくつか大切にしていることがある。
ひとつは「地域にとって、プラスでありたい」という思いから、毎月第1土曜日は「クリーンデー」として、走る前にゴミ袋を手に持ち、コース周辺を清掃活動をしている。
もうひとつはお店の営業活動とは切り離しているということ。
「お店のイベントにしてしまうと、“何か買わされるんじゃないか”と思われてしまう。それは本意じゃないんです。多くの人が自由に参加できる『町の定例行事』みたいになれば良いかなと思っています」(佐藤さん)
「ゆるい」からこそ、誰もが自由に参加できて、「続ける」ことができるイベントを目指している。
「町の風景」になること
活動名は「多摩聖蹟ウォーク&ラン」。
あえて“ウォーク”を先に置いたのには理由がある。
「歩く人をもっと増やしたいんです。
犬の散歩でも、お子さん連れでもOK。
ご家族が芝生広場で遊ぶ横を、お父さんが2周だけ走る。
そんな風景も、この活動の一部だと思っています」(佐藤さん)
走ることを特別にしない。
日常の延長に置く。
それが二人の目指す形だ。
「多摩聖蹟ウォーク&ラン」が目指すのは、
大きなイベントではない。
町の中に、自然と溶け込む“朝の習慣”だ。
「せいせきカワマチ」が整備され、人の流れが変わった今だからこそ、この場所で生まれた“朝の習慣”。
「環境が良いから“ランニングの聖地にしよう”という話もしていました。ランニングやウォーキングを通じてみんなを健康にしていきたいですね」そう話す二人。
走ってもいい。
歩いてもいい。
休んでもいい。
土曜の朝7時になると、
多摩川のほとりでは、
佐藤さんと齋藤さんが、いつものように待っている。
- 活動名
- 多摩聖蹟ウォーク&ラン
- 公式サイト
- https://tswr.org/
- 公式インスタグラム
- https://www.instagram.com/tama_seiseki_walk_and_run/
- 店舗名
- ストライドラボ多摩店
- 住所
- 東京都多摩市一ノ宮2-19-1 カリアンドラII
- 営業時間
- 水木金:12:00~19:00
土日祝:11:00~18:00
定休日:月火(祝祭日の場合は翌平日) - URL
- https://stridelab.jp/tama/

佐藤 為
齋藤 潤














































