MUJI × UR団地リノベーションプロジェクト
独立行政法人都市再生機構(以下:UR都市機構)と無印良品の住空間事業部門、株式会社MUJI HOUSEの連携事業「MUJI × UR 団地リノベーションプロジェクト」は平成24年度からスタートし、現在までに全国40の団地で600戸以上の新たな暮らしを提供している。
現在、市内には永山団地と百草団地の2つの団地に同プロジェクトの賃貸物件がある。今回は永山団地にある同プロジェクトのモデルルームにて、UR都市機構 東日本賃貸住宅本部 多摩エリア経営部の林 雄太さんにお話を伺った。
「生かす」「変える」「自由にできる」がコンセプト
「MUJI × UR 団地リノベーションプロジェクト」は「生かす」「変える」「自由にできる」をコンセプトに、すべて壊すのではなく、使えるものは残すという考えのもと、株式会社MUJI HOUSEが設計を監修し、UR都市機構が性能基準を満たしているか検証した上で改修している。
こちらのモデルルーム(タイプ名:Re+003)はもともと4つの部屋に分かれていたが、一部の壁や建具を取り払い開放的なリビングとダイニングキッチン、寝室の3部屋にリノベーションした。部屋は白で統一され、陽の光を多く取り込んでとても明るい印象だ。柱や鴨居など大きな空間を作る部分はそのまま残し、年月を重ねた木材の風合いを生かしている。
MUJI × URを象徴する印象的な白い壁はクロスを張り替えているのではなく、全て塗装している。「木材は真っ白にすることが意外と難しいのですが、何度も塗り重ねることでツヤ無しの白色にしています」と林さんは話す。
この他、カーテンレールを白く塗装した木材でカバーすることでスッキリと見せるなど、随所に工夫が凝らしてある。
キッチンはMUJI × URが共同開発したもので、借りた人が自分のライフスタイルに合わせて自由度の高い収納の配置が可能に。共同開発パーツは麻畳、ダンボールふすま、ラワン合板フローリングなど多岐に渡る。
部屋の内覧には30〜40代の子育て世代の夫婦を中心に幅広い世代が訪れるそうだ。中でも同じ団地に住む住民が内覧した際はその変貌ぶりに驚くという。
団地の新しい住み方に
大阪府出身で自身も集合住宅で生まれ育った経験を持つ林さんは「ここは歩車分離が徹底されていて、子育てには最適の環境ですね」と多摩ニュータウンの住みやすさを語った上で、「これからは家が余る時代になり、今ある居住空間をいかに上手に使って生活できるかがポイント。MUJI × UR 団地リノベーションプロジェクトを通じて、団地の新しい住み方を多くの方に知っていただき、自分の生活に応用して豊かにしてもらえれば」と語った。
今後、日本の団地の在り方のひとつとして、同プロジェクトは大きな役割を果たすであろう。
団地や住戸の詳しい情報は「MUJI × UR 団地リノベーションプロジェクト」のHPから確認可能。
- MUJI × UR 団地リノベーションプロジェクト
- URL https://www.ur-net.go.jp/chintai/muji/