多摩市発のユニークなオリジナル文房具&雑貨「geodesign(ジオデザイン)」
多摩市にはユニークなオリジナル文房具や雑貨を生み出している会社がある。
今回は株式会社ジオの代表取締役、扇谷 諭さんにお話を聞いた。
聖蹟桜ヶ丘にあるデザイン事務所
当時、小学4年生だった扇谷さんが世田谷から多摩市(当時は南多摩郡多摩町)に移り住んだのは多摩ニュータウン造成最盛期の昭和43年(1968年)。その後、多摩美術大学を卒業し、工業デザイナーの道へ進むと、平成2年(1990年)に株式会社ジオを設立。現在は聖蹟桜ヶ丘に事務所を構えている。
同社が主に手がけるのは、パソコンやデザイン家電といった工業製品のデザイン開発が中心だ。さらに商品企画や企業のブランディングの他に、大手町などの街や公園のサイン計画(案内板や誘導サイン)など、事業は多岐に渡っている。
本物そっくりのオリジナル商品「geodesign(ジオデザイン)」
そんな中、同社が手がけるオリジナル商品「geodesign(ジオデザイン)」が巷で話題になっている。40種類以上にも及ぶこちらの製品は一見すると、スーパーなどで販売されている板付蒲鉾や、豆腐パックといった日常でもおなじみの食品ばかり。
実はこれ、本物そっくりの「付箋紙」なのだ。
「最初のきっかけは『付箋紙でなにか出来ないかなぁ』ということでした。分厚い付箋紙を豆腐容器に入れたら面白いよねというところからスタートしたんですけど、私たちは工業製品なども手がけているので徹底的にやらないと気が済まないんです」と話す扇谷さん。
同社のデザイナーが、毎日の生活の中で面白いと思ったものを持ち寄り、気軽に使える文房具や雑貨を題材に、良いアイディアは商品化している。
蒲鉾型の付箋(その名も”板付かみぼこ”)は本物の蒲鉾の板に、蒲鉾型の付箋を貼り付けた商品。
豆腐の付箋も本当のお豆腐屋さんが使用しているパックを用いて、「木綿」はザラザラとした紙質の付箋、「絹ごし」はツルツルとした紙質の付箋を入れるなど、本物の豆腐の様にこだわっている。驚くほどの再現度である。
その他にも、割り箸型のボールペンや、巻いた状態が海苔巻きそっくりの「のり巻きタオル」、わさびやねり梅など家庭の冷蔵庫には必ず入っている薬味のチューブの形をしたマーカーなど、見た目にも楽しい文具や雑貨ばかり。
こうした食品包装をモチーフにした商品が多い中、昨年開発されたのが出前などの料理を運ぶ「おかもち」型をしたアルミ製の収納ケース「オカモッティ」だ。
ノートパソコンやA4サイズのファイルが縦におさまるサイズで、フタの部分の裏側はホワイトボードになっている。
扇谷さんは「これを見てニヤリとしてもらいたいという狙いだったんですけど、展示会に出したら『カッコイイね』と言ってくださる方が多くて、こちらがびっくりしています」と意外な反響に驚きを隠せない。
商品はオンラインショップをはじめ、雑貨店やミュージアムショップなどでも販売されていて、出産祝いや訪日外国人のお土産としても人気が高いそうだ。
さらに現在では、本当の食品メーカーとコラボした公式グッズも手がけるなど、話題となっている。
多摩市の名物になるようなアイテムに
見た目にも楽しい「geodesign(ジオデザイン)」は、今までありそうで無かったものばかり。最近はファンの方も増えてきて、次の新商品を待ち望んでいる声も多く上がっているという。
「製品化できるのは、日本全国の方が知っていて、共通認識のある食品ばかり。そこにひとひねりすると楽しい商品が出来るのですが、それが意外と少ないので逆にアイディア募集中です(笑)こんな面白いことをやっている会社が東京の多摩市にあるんだよということをアピールしていきたい。多摩市の名物になるようなアイテムになれば」とにこやかに今後の意気込みを語った。
- 会社名
- 株式会社ジオ
- 住所
- 東京都多摩市関戸4-30-8
- 電話番号
- 042-355-6171
- URL
- https://geodesign-products.com/
2019年4月1日