apricot(アプリコット)
南野の恵泉女学院大学の正門前にあるコッペパン専門店が人気を博している。
今回はコッペパン専門店「apricot(アプリコット)」店主の増田夏紀さんにお話しを伺った。
会社を辞めて日本一周の旅に
同店は2018年4月にオープン。開店して1年ほどだが、口コミが広がり、早くも地元客や学生たちを中心に人気のお店となっている。
店主の増田さんは大学卒業後、3年間企業で勤めた後に退職。その後、自転車で日本一周の旅に出た。
「この場所はもともと、祖父が30年以上前からコンビニを経営していました。その後、祖父が亡くなり、ずっと空き店舗だったこの店でなにかやりたいなと思っていて。日本一周の旅はその事をずっと考えながら走っていました」
10ヶ月間の日本一周の旅は、47都道府県の全ての県庁で写真を撮るのを目標にした。各地では、応援してくれる人たちの優しさが身にしみたという。
「食べるのが好き」という増田さん。日本一周は節約の旅だったそうですが、旅の途中でパン屋さんを見ると立ち寄ってしまうことに気づいて「自分はパンが好きなんだな」と感じたことがパン屋を開く決め手になったそうだ。
祖父の店と同じ名前に
しかし当時はパンの知識は全く無かったそうで、パン屋で2年間アルバイトをしながらパンの基礎を習得。昨年、この店をオープンさせた。
店の名前は増田さんの祖父が経営していたお店と同じ「apricot(アプリコット)」にした。
「子供の頃から祖父と母が楽しそうに働いていた姿を見てたから、生まれ育ったこの地でもう一度お店をやれば、亡くなった祖父も喜んでくれるかなと思いました」
お店は増田さんのお母さんの友子さんと、お姉さんの吉野佳美さんの母娘3人で切り盛りしている。
「この店をやりたいと家族に話した時に専業主婦をしていた姉が『私も手伝うよ』と言ってくれました。私一人だけだったらとてもできなかったです」と増田さん。家族の絆を感じた瞬間だった。
手作り具材で勝負。「季節限定メニュー」に注目
お店は朝7時30分の開店を目指して、早朝4時から準備に取り掛かる。
添加物、保存料を一切使わないコッペパンは平日なら400個、週末は500個も焼き上げるそうだ。惣菜コッペパン(旨こっぺ)は10種類、甘いコッペパン(甘こっぺ)は15種類と種類も豊富。注文を受けてから挟む具材の中には「板チョコ」や「バナナ一本」など、個性的なコッペパンもある。
価格は170円から200円台のものがほとんどで、一番高い「ミルフィーユかつ」で330円。なにも入れないコッペパン単体は1つ100円と価格も魅力的だ。
具材も自分たちでアイデアを出して、あんこやカスタードクリーム、コロッケや焼きそばなど、ほとんどの具材を手作りしている。
季節ごとに入れ替わるという「季節限定メニュー」は特に注目だ。
「ピリ辛焼肉や、ツナきゅうりもお客さんからいただいたアイデアです。昨年夏に出したアイスコッペは好評で、そのまま通年メニューに昇格させました」と増田さん。新メニューは増田さんのお父さんを交えて、家族全員で事前に試食。改良しながら納得できるものだけを販売しているという。
「私が生まれる前は、ここ南野でも一本杉球場で夏祭りをやっていたそうですが、今はやっていないのがちょっと寂しいです。いつか復活させて、そこでもコッペパンを出せたら嬉しいですね」と話す増田さん。
最近では、近隣の町内会のイベントからもお呼びが掛かるなど、子どもたちにも人気のコッペパン屋さんになっている。
- 店名
- apricot(アプリコット)
- 住所
- 多摩市南野2-3-9
- 営業時間
- 7:30〜17:30(パンがなくなり次第終了)
- 定休日
- 不定休(HP参照)
- 連絡先
- 042-374-6878
- URL
- http://apricotcoppe.com/