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vol.54

たまロケーションサービス

多摩市を歩いていると、映画やテレビドラマの撮影風景によく出会うことがある。そのほとんどの撮影を地元、多摩市で活動するフィルムコミッションが支援しているのをご存知だろうか。

今回は多摩市のフィルムコミッション「たまロケーションサービス」代表の柴田 孝司さんと副代表の鳥居 俊平太さんにお話を伺った。

撮影支援団体「たまロケ」

多摩ニュータウンでは、造成当初からテレビドラマや特撮ヒーローものなど多くの作品でロケ撮影が行われている。当時は多摩市が直接依頼を受けて、ロケを敢行していたそうだ。

そんな中、2009年2月に設立され、今年10周年を迎えたのが「たまロケーションサービス」(通称:たまロケ)である。

「たまロケ」は、映画・テレビドラマ・CMといった映像作品のロケーション撮影が円滑に行われるための撮影支援を行う団体「フィルムコミッション」のひとつだ。現在の登録会員数が約70名で、そのうち15名前後が運営に参加している。

設立3年目から同団体の代表を務める柴田 孝司さんは、北海道帯広市出身。45年前に多摩市に移住し定年退職後、「たまロケーションサービス」の代表として陣頭指揮を執っている。

ロケの問い合わせは毎月100件前後にも及ぶとあって、インタビュー中にも数件の問い合わせ電話が鳴っていた。しかし、実際に撮影する作品はそのうちの10〜15%ほどになるという。

柴田さんは「最近はテレビドラマ・映画以外に様々な媒体での撮影が増えてきています。私達は、ロケ隊がどのような作品を、どこでどのように撮りたいかなどの要望を聞きつつ、条件に見合うロケ地候補を提案し、日程の調整や関係各所との交渉を行い、ロケ当日は、搬入から撤収まで安全に撮影が終わるよう付き添うのが主な仕事です」と話した。

パルテノン大通りで爆破シーンも

2017年には、パルテノン大通りでワイヤーアクションとともに、圧搾空気を使用した爆破シーンを撮影したこともあったそうだ。

「台本を読んだだけだと『これは無理な話だな』と思っても、ひとつひとつの要素を制作側に聞いて詳細を詰め、それを市役所や地元警察など、関係各所と連携・調整することで、実際に爆破シーンを撮影できたこともありました。ロケを行う上で一定のルールはありますが、場所や環境によっても変わってきます。たまロケに相談してもらえれば、一見撮影不可能そうなシーンも『こうすれば安全に撮影できそうだよ』という提案をしています。我々の存在価値はここにあると思っています」と柴田さんは話した。

市民の皆様・ロケ地提供者と制作側の架け橋に

最近の話題作『俺のスカート、どこ行った?』他、さまざまなテレビドラマに登場したパルテノン大通りや、昨年のカンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督作品『万引き家族』のクライマックスシーンに登場した、多摩モノレール通り(都道156号線町田日野線)で撮影が行われるなど、多摩市内のさまざまな場所でロケが行われている。

その中でも一番需要があるロケ地は「学校」だという。豊ヶ丘にある「東京多摩フットボールセンター・南豊ヶ丘フィールド」は、2階部分に教室、廊下、職員室、保健室など学校での撮影に適した施設がほぼ揃っている。

15年前に多摩市に移住してきた副代表の鳥居 俊平太さんは「多摩市は都心からのアクセスも良くて、自然の風景と都市の風景がどちらも撮影できる環境が整った街です。制作側の作品作りにかける熱意を理解しつつも、市民の目線・気持ちを大事にし、ともに満足できるロケが行われるよう支援すること、出来上がった作品・番組を通じて、多摩市のシティセールスに繋げることが私達の課題です」と話した。

いつか多摩を舞台にした作品を

たまロケは設立当初から「永山フェスティバル」に、5年前からは「せいせき地域ふれあいフォーラム」にも参加。今年は「多摩センターこどもまつり」で、子供たちの「撮影体験ワークショップ」を開催し、人気を博している。

もともとは趣味で映画作りをしていたこともあり、ものづくりの現場にいることがすごく楽しいと語る鳥居さんは「 『ロケの街「多摩」テレビ・映画で出会う街』のスローガンを前面に出して、いつの日か多摩丘陵の自然と計画された街並みが融合した、多摩市ならではのロケーションを活かしたオープンセットタウンみたいなものが作れたら面白いでしょうね。そこで、多摩を舞台にした作品作りに関われたらサイコーのシティセールスになりますね!」と笑顔で今後の夢について話した。

映画やテレビドラマの撮影現場は平日土日関係なく、早朝から深夜まで行われているため、体力勝負という面が大きい。それ以上に感じたのは、良い作品を作って地元を盛り上げたいという「たまロケ」の皆さんの心意気と覚悟だった。

団体名
たまロケーションサービス
住所
東京都多摩市鶴牧1-1-5 グランオーク1F
電話番号
042-400-1706
URL
http://tamaloc.com/
柴田 孝司

たまロケーションサービス 代表

鳥居 俊平太

たまロケーションサービス 副代表


丘のまち物語/INTERVIEW ISSUE

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