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グランドオープンする多摩中央公園

多摩中央公園のリニューアル工事がまもなく完了し、2025年4月5日にグランドオープンを迎える。

全国でも最大規模のPark-PFI(民間事業者が公園内に設置する施設の収益の一部を改修整備費用に充当する公募設置管理制度)と指定管理者制度を導入し、今後は、3社で構成される指定管理者「TAMAセントラルパークJV」が運営を担う。

この新たなスタートに向けて、指定管理者である「TAMAセントラルパークJV」の丸山晃平さんに、多摩中央公園のリニューアル工事についてお話を伺った。

地域とともに進めた新たな公園づくり

丸山さんがはじめて多摩中央公園に訪れたのは2021年3月頃のこと。それまでは、TAMAセントラルパークJVを構成する物林株式会社の社員として、江東区にある「豊洲ぐるりパーク」の運営に携わり、多摩市に来るのはこの時がはじめてだったそうだ。

「多摩センター駅を降りて、パルテノン大通りを歩いて進むと、広大な公園が目の前に広がって驚きました。開放的な公園や周囲の環境にふれて、リニューアル工事が入れば、さらに魅力的な場所になるなと実感しました」と当時のことを振り返る。

着任後は公園の新たな姿を形作る過程で、地域住民とのコミュニケーションを大切にしていった。ワークショップや市民説明会を通じて、地域の方が公園の再生にどのように関わりたいか、どのような設備や機能が求められるのかといった多くの人々の声やアイデアを汲み取りながらリニューアル工事に反映させ、より親しみやすく、使い勝手の良い公園作りが進められた。

「複数回にわたるワークショップを通じて、地域の方と一緒にどのように活用するかを考え、具体的な施設作りに取り組みました。今後は、いろいろな活動を行う中で『こんな活動をやってみたい』という相談や、どうやって活用していいか分からないという方々の声にも応えていきたいです」と、これまでの公園づくりと今後の公園の活用法について話した。

大きく生まれ変わる多摩中央公園

開園から30年以上が経過した多摩中央公園は、長年の使用や時代の変化に伴い、利用者のニーズに合った更新が求められるようになった。リニューアル後は公園全体をプラットフォームとして2つのコア施設と7つのプレイス(参加の場)を設け、様々な人やグループが活動できる場として生まれ変わる。

大芝生広場には「ケヤキハウス」が建てられる。ここはパークセンターとして、主に公園内で開催されるイベントの窓口業務などを行う中核施設のひとつだ。「ケヤキハウス」には、カフェレストランの「44APARTMENT」が併設され、日中から夜の時間帯にも食事やカフェが楽しめる。さらに多摩市立中央図書館の隣には、フラワー&ベーカリーカフェ「balder coffee tokyo & buire」がオープンする。

「遊びの森」エリアは、誰も取り残さない「インクルーシブな空間」をコンセプトに、障害の有無や重度を問わず利用できるように設計された大型遊具で遊べる「遊具広場」と、芝生が広がる「自由広場」に分かれていて、今後はこの一帯を利用した「プレーパーク」イベントが隔月で開催される予定だ。

「旧富澤家住宅」は、庭園部分にデッキが新設。さらに大芝生広場につながる出入口が新たに設けられる。「グリーンライブセンター」も新たな装いでリニューアル。「梅林」では一部の梅の木は新たに植樹された。なお、パルテノン多摩5階東側にある「クリエイティブキャンパス企画室」は、情報収集発信の拠点として今後も運用を継続する。

施設だけでなく、園内の排水や配管といった基本設備も更新された。外周の園路については、当初の基本設計では白河石の舗装の一部を透水性コンクリートに変更する方針だったが、市民から「白河石の舗装を残してほしい」という声と「平らな舗装にしてほしい」という意見の両方が寄せられた。そこで、設計変更にあたって改めて市民の意見を反映するため、2種類の工法で試験施工を実施。実物を見た市民にアンケートを行い、より多くの票を集めた方法を採用し、歩行者やベビーカーを押した親子連れでも歩きやすい環境を整えた。

「大池前テラスやBOOKパーク、きらめきの広場など、すでに部分開園しているところもあって、グランドオープン後は初めて訪れる方にもおしゃれな場所だと感じていただけるかなと思います」と話す丸山さんのお気に入りの場所は、大池前テラスにあるカウンタータイプのベンチなのだそう。

グランドオープン当日は「第5回パークライフショー」を開催

グランドオープン日となる4月5日には、記念式典後に地域住民や関係者が集まる市民参加型イベント「第5回パークライフショー」の開催が予定されている。

イベント開催に向けて、イベント運営にも携わる丸山さんは、来場者が楽しめるコンテンツやアクティビティの企画に市民とともに尽力している。

「過去のパークライフショーは様々な方に関わっていただきました。今回の企画はバラエティーに富んでいて、多くの方に喜んでいただけるイベントになると思います」(丸山さん)

当日は、地域の特色を生かした出展やキッチンカー、ワークショップ、パフォーマンスが予定されており、公園の新たな魅力を最大限に伝える内容となることが予想される。このイベントを通じて、地域の人々が公園の新しい活用法を発見し、共に楽しみ、学び合うことのできる貴重な機会となるだろう。

多摩中央公園のグランドオープンにより、パルテノン多摩、多摩市立中央図書館、多摩市立グリーンライブセンターをはじめとする一帯のリニューアル工事が完了する。今後は多摩市立中央図書館との連携をはじめ、地域と協力した様々なイベントが開催される。

多摩中央公園のリニューアルは、単なる施設の刷新にとどまらず、地域コミュニティが集い、住民や訪問者が気軽に立ち寄れる新たな交流の場を創出するものであり、地域の活性化を促進し、社会のつながりを強化することで、住民の生活の質を向上させる大きな一歩となる。

「新しい楽しみ方だったり、これまでと同じように利用していただいたりと、いろいろな使い方をしていただきたいです」と丸山さん。

丸山さんをはじめとする関係者の奮闘と、地域の協力によって成し遂げられたこのプロジェクトは、地域社会のつながりと活性化を促進する次世代の公園として、多くの人々に愛され続けることだろう。

施設名
多摩中央公園
住所
東京都多摩市落合2-35
電話番号
050-3665-6406(TAMAセントラルパークJV)
URL
https://tama-central-park.jp/

公開日
令和7年3月31日

丸山晃平

TAMAセントラルパークJV


丘のまち物語/INTERVIEW ISSUE

多摩で暮らす人たちに軸を据えて、その暮らしぶりや思いなどを語ってもらいます。

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