TAMA映画フォーラム実行委員会
多摩市制20周年記念の文化事業として1991年にスタートした「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」は今年で27年目を迎えた。毎年11月には国内映画賞のトップバッターを飾る「TAMA映画賞」を多摩市内で開催し、回を重ねるたびに注目度が増している。
この映画祭は多くの市民ボランティアの手によって作り出されているということをご存知だろうか。
今回はTAMA映画フォーラム実行委員会の竹内 昇委員長、実行委員の都築 彩花さん、志賀 麗香さん、佐藤 友則さんにお話を伺った。
市民ボランティアによる映画祭
「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」は毎年11月に開催され「TAMA映画賞」をはじめ、日本映画の新人監督を発掘する「TAMA NEW WAVE」など多彩なプログラムを組んでおり、関連して年に6回ほど開催する特別上映会イベントも、市民ボランティアのTAMA映画フォーラム実行委員会によって運営されている。
TAMA映画フォーラム実行委員会のメンバーは現在約60名。多摩市内・市外の大学生をはじめ、社会人、主婦、リタイヤ世代といった幅広い世代の映画好きが所属している。
2週間に1回、日曜日の午後6時から午後9時まで永山公民館で開かれる実行委員会の会議では、映画賞部、PR部、NEW WAVE部、資金調達部、パンフレット部の各部会が行われている。メンバーはひとり2つ以上の部に所属し、映画祭間近の10月には毎週のように会議が行われるという。
上映会からはじまった映画祭
映画祭が始まる以前、多摩市には大きな映画館が無かった。都市部まで行けない人たち向けに日本映画等を観ていただけるようにと多摩市公民館(2008年閉館)で始めた市民企画映画上映会がこの映画祭の前身。その後、1991年に多摩市制20周年記念の文化事業「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」としてスタートした。「当時のメンバーが話し合い、翌年の2回目からは市民ボランティアが主体となって運営していくことにしました。」と語るのは昨年、実行委員長に就任した竹内さん。
2000年には新人監督を発掘する「TAMA NEW WAVE」が開始。2009年には、”明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝を込めて表彰する”「TAMA映画賞」を創設した。
今年で9回目を数える「TAMA映画賞」の名を一躍知らしめたのは2012年。AKB48を卒業したばかりの前田 敦子さんが最優秀新進女優賞を受賞した際はファンが殺到、マスコミにも大きく取り上げられ、映画祭の知名度が飛躍的に向上したという。2014年には菅田 将暉さん、2015年には広瀬 すずさん、杉咲 花さん、野村 周平さん、2016年には松岡 茉優さん、小松 菜奈さんら、今をときめく若手俳優が最優秀新進男優賞・女優賞を受賞。その後、目覚ましい活躍を見せている。
実行委員が企画・選考、全てが手作り
月に20本の映画を鑑賞しているという都築さんは映画賞部、NEW WAVE部、PR部に所属する大学生。「高校時代にTAMA映画祭の事を知りました。見にいったら、手作り感がいいなと思ったんです。それから何年かして『実行委員募集』のチラシを見た時にやってみたいなと思いました。」と実行委員に参加したきっかけを語った。
委員長の竹内さんは「うちの映画祭の特徴は今年入って来た方でも、自分の企画をどんどん上げることが出来るという事。新人も含めて、自分はこういう映画をやりたいという企画をプレゼンで出してもらってコンペで決めています。なので、今年の映画祭がどんな形になるかは、まだ皆目見当がつかないんですよ。」と笑顔で語る。
特別上映会では監督や出演俳優らによるトークショーも行われている。ゲストの出演交渉なども、企画した実行委員が中心で進めていくという。入ったばかりの新人でも企画が通れば、自分でゲストを呼んで、大きなスクリーンで上映できるのだから、やりがいは大きい。ダイレクトメールの発送やチラシの作成・配布、「TAMA映画賞」の受賞者ひとりひとりに渡す、賞状の受賞理由の文章も映画賞の選考部会が練りに練って作り上げるという。全てが手作りでアットホームな映画祭の雰囲気に感激する俳優や監督も少なくない。
これからの「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」
昨年は広島国際映画祭との共催でフランスの「ブリィヴ・ヨーロッパ中編映画祭」のプログラムを上映するなど、他の映画祭同士の横のつながりが増えて来たという。「映画祭を運営するのは大変なので、良い運営方法があったらそれを共有したり、作品の情報交換などもしています。今後は『TAMA映画賞』と『TAMA NEW WAVE』を大切に守りつつ、日本未公開の海外作品も上映や、映画上映だけに限らず、もっと会場から出るようなイベントもやっていければと思います。」と委員長の竹内さんは今後の映画祭についても語った。
多摩市制20周年記念の文化事業としてスタートした「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」は市民ボランティアの手によって四半世紀の歴史を刻んで来た。「TAMA 映画フォーラムはもともと『広場』みたいな集まり。」と話す竹内さん。映画をこよなく愛する市民がいる限り、「映画祭 TAMA CINEMA FORUM」は歴史を刻み続けるだろう。
5月28日(日)に2017年度実行委員募集説明会が開催。
- TAMA映画フォーラム実行委員会(事務局)
- 住所
- 多摩市永山1-5多摩市立永山公民館内
- TEL
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- FAX
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- http://www.tamaeiga.org/staff/