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vol.3

tak beans

このお店が人々の出逢いの場になるといい

自分たちの住む地域で働きたい

 2011年3月の東日本大震災をきっかけとして、自分たちの働き方を見直して大きく転換を図ったご夫婦がいる。
 聖蹟桜ヶ丘駅近くで「tak beans」を営む松崎夫妻は以前は異なった職種の仕事に就いていた。アパレル系の職場に勤めていたご主人様は都心へ通い、保育士である奥様は反対に郊外の保育園へと通っていた。そんな折、震災に遭遇して保育園で待つわが子を中々迎えに行けなかった為に「子どものいる自宅の傍で働きたい」との思いが強まり、自宅のある地域で出店することを決意した。
 お店を自家焙煎の珈琲豆専門店としたのはコーヒー好きのご主人様の意向で、自家焙煎のコーヒー豆の販売とコーヒードリンクのお店にした。

コーヒーはコミュニケーションツール

 お店に来店されるお客様は大抵お一人でのご来店が多く、最初は見知らぬ他人同士だった人たちがコーヒーをコミュニケーションツールとして次々と繋がっていくという。
 お店で提供しているのは生産国、農園名、品種などが明確な“スペシャルティコーヒー”15~16種類で、毎朝焙煎し、注文を受けてから1杯づつハンドドリップしている為、コーヒー本来の豊かな香りがする。
 店主の松崎さんは「コーヒーが生活の一部になって、コーヒーを通じて新しく人と人とのつながりが出来ていくと嬉しい」と語る。最近では小学校や保育園帰りの子どもたちが窓からお店の中を覗いて「バイバイ」と手を振って行ったりもするという。中にはお母さんが買い物をしているのをお店のカウンターで宿題しながら待っている子どももいて、地域の人たちの憩いの場となっている。
 開業間もない頃、SNSで繋がった一般社団法人 TAMA RUNNERSの馬場保孝さんとのご縁で「走る」ことを通じ、地域と繋がったという。2014年12月には地元聖蹟桜ヶ丘で開催された「聖蹟サンタマラソン」に出場を果たして、コーヒーのブースを出店するなど地元との繋がりの輪も広がっている。

月に一度の「わらべうた すまいる」

 保育士の資格を有する奥様はご自身の長年の経験を活かして、月に一度お店の2Fで「わらべうた すまいる」を開催している。参加者は生後3か月~小学校低学年のお子さん連れのお母さんたちで、コーヒーを飲んで寛いでもらいながらのんびりした雰囲気の中で「わらべうた」を歌っている。講師である奥様自身も2歳半になるお子さん連れで参加している。
 CDやTVなどの録音された歌声ではなく生の声が身体に“心地いい”ということを肌で感じてもらう為に、お母さん方には自分の子どもたちにスキンシップを施しながら歌いかけてもらっている。
 歌の内容や歌詞などはそれほど重視しておらず、楽譜や歌詞などの書かれた紙類は一切配らないという。

地域のみんなで子育てを

 お店の2Fで月に一度「わらべうた すまいる」を開催している奥様も、小学校や保育園帰りの子どもたちとコミュニケーションを図っているご主人様も目指す所は一緒で「より良い、子どもたちの住みやすい街を作りたい」という思いだ。松崎さんは「僕らの世代がこのエリアで出店することによって、人と人との繋がりを作っていくだけでなく、全世代に携わる地域のイベントを作り、地域の人たちが参加する流れができるようにしたい」と語る。
 人としての優しさに満ちた店主の淹れるコーヒーには優しい味わいがある。これからも美味しいコーヒーと温もりを求めて、お店にはたくさんの人たちが集ってくることだろう。

店名
tak beans
住所
〒206-0002 多摩市一ノ宮 3-7-16
連絡先
042-313-7683
営業時間
8:00 – 19:00
定休日
月曜日
※ただし、月曜日が祝祭日の場合は営業し、翌火曜日がお休み
松崎雄大 ロースター

松崎さんはコーヒー焙煎の奥深さを知り、コーヒーの世界に魅了されてロースターとなった。時間を見つけては走ることを楽しんでいる。


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