多摩市若者会議
多摩市では若い世代・子育て世代が「多摩市に住んでみたい・訪れてみたい」と思えるような魅力を創出・発信していくため「多摩市若者会議」を昨年度より開催している。2年目となる本年度もワークショップ(全5回)とフィールドワーク(1回)が行われる予定だ。
本年度の「多摩市若者会議」の1回目が、パルテノン多摩の第一会議室にて先日開催され、多摩市内外から53名が参加し、活発な議論が行われた。
今回は「多摩市若者会議」の中心として支えているファシリテーターの林田暢明さん(総務省地域資源・事業化支援アドバイザー)とコアメンバー(実行委員)の皆さんにお話しを伺った。
新たな発想が生まれる「若者会議」
39歳までの方を対象とした「多摩市若者会議」のコアメンバー(実行委員)は学生から社会人まで、多摩市内外で活躍している方が参加している。
若者会議の存在は多摩市の広報や大学のHPでの告知で知ったという方がほとんど。参加した理由を聞いてみたところ、「なにか多摩市に貢献できるのでは」という考えをもつ方が多かった。
若者会議は「ワールドカフェ方式」で進められている。
「ワールドカフェ方式」とは、参加者を4~5人の小グループに分け、カフェのようにくつろいだ雰囲気で、15分程度の意見交換を4〜5回ほど繰り返す方法。テーブルにはクラフト紙が敷かれ、色付きのペンで自由にメモすることができる。
1回の意見交換が終わると各テーブルのホスト(1名)を残し、他の参加者は別のテーブルに旅(ラウンド)することで、参加者全員の知識や考えを共有(シェア)でき、多様な意見の創出が期待できる議論の手法だ。
参加メンバーが旅(ラウンド)することでたくさんのアイデアが循環し、ミックスすることで新たな発想が生まれるという。
この日、集まった53名(平均年齢27.3歳)の参加者からは、多摩市の認知度UPや世代間交流、公園の管理や利活用、民間企業との連携などについての意見や、働き方改革、多摩中央公園にビアガーデンやライブハウスが欲しいといった、様々な意見が出された。
会議にはありがちな硬い雰囲気はまったくなく、文字通り「カフェ」で友達同士が楽しげに語り合っている姿が印象的だった。
昨年は、ワークショップの2回目と3回目の間に愛宕団地や、一部で建て替えが行われた諏訪団地を巡ったり、ジブリ映画『耳をすませば』のモデルとされている聖蹟桜ヶ丘の街並みを歩くといったフィールドワークも行われた。
さらに、より精細で具体的なビジョンや煮詰まった意見交換をするため、コアメンバー(実行委員)の有志で自主的に集まったこともあったそうだ。
もっといろいろな人の意見を反映できる場に
昨年度の若者会議では、若者のまちづくり拠点として「未知café」の整備が提案された。
これは若者会議のワールドカフェのような雰囲気で、学びや発信ができる場として、学生や社会人といった様々な人が集まって知的好奇心を高められる場所を作りたいという意見が多く挙げられていたからである。
今年度はクラウドファンディングで事業費を集め、「未知café」の実現化に向けて計画が練られている。
各地で住民会議などのファシリテーターを務めた林田さんは、「若者がメインの会議は民間が主導することがほとんどで、多摩市のように行政が主導しているというのは画期的。自由な意見が出ているなと感じている」と語った上で「今後は大学生はもちろん、高校生にも参加して欲しい。成長の場として、この若者会議に参加してもらえるとまた違った雰囲気になるのではないか」とさらに若い世代の参加を期待していた。
コアメンバーの杉浦真吾さん(東京外国語大)は「こうした場で50人以上が話すこと自体が貴重。もっといろんな人が持っている意見を反映できる面白い場を作りたい」と意気込みを語った。
多摩市若者会議では次世代を担う若い世代が多摩市の魅力について自由闊達な議論を交わしている。
次回(第2回)は平成30年7月6日(金)にパルテノン多摩4階 第1会議室で開催。