京王ほっとネットワーク移動販売
京王多摩センター駅、京王永山駅周辺の多摩市を中心とした多摩ニュータウンのエリアのお買い物をサポートする移動販売車をご存知だろうか?
今回は移動販売車を担当している京王ほっとネットワークの関井規夫さんにお話を伺った。
400アイテム以上の品揃え
もともと京王ストアの社員だった関井さんは2013年に京王電鉄に出向。その年の11月に同社がスタートさせた京王ほっとネットワーク移動販売に立ち上げから関わっている。これは京王電鉄と多摩市が「地域発展の推進に関する包括連携協定」の締結により実現したプロジェクトで多摩市の買い物が困難な地域をサポートするというもの。現在は毎週月曜日から金曜日まで午前に2ヶ所、午後2ヶ所(月曜午前は1ヶ所)の毎日4ヶ所、計19ヶ所を回っている。この日、多摩大学正門前での販売の様子を取材した。
京王ストア高幡不動店を拠点にしている移動販売車は午前8時から4名体制で商品の積み込みを開始する。「お店での準備はかなり混雑するので値付けや商品の整理は午前の1ヶ所目の現地でしています。」と関井さん。朝一番の販売車の中は商品で満載だ。販売時刻となる午前10時10分より前に現地に到着して呼び込みの音楽を鳴らしながら周囲を1周して移動販売が来たことを知らせる。
販売スペースに停車させ、関井さんを含めた3名のスタッフが新鮮な野菜や果物が入ったカゴを車から搬出して商品を手際よく陳列していく。車内には冷蔵庫や冷凍庫、常温棚が設置してあるため、出入り口にステップを設置するのも大切な仕事だ。到着からわずか10分で商品が並び、見る見るうちに移動スーパーが完成した。
サービス開始直後はおよそ300アイテムだったという商品数はお客様の要望に応えるうちに次第に増え、現在では400アイテム以上の商品を取り扱っているという。牛乳・卵・お米など生活必需品はもちろん、肉、魚、加工食品、冷凍食品、お弁当、惣菜、飲料、日用雑貨に至るまで商品は多岐に渡る。
値段は市内の京王ストアと同じ価格で販売していて他店に負けないよう、毎回お買い得商品を用意しているという。
「青果品だけでも100アイテムは超えています。大根やキャベツなどの素材系は地域によって1個ずつじゃないと売れなかったり、小分けにしないと売れなかったりと売れ筋は全く違います。」と関井さんは語る。
お店の準備が整うと周辺の住民が訪れはじめた。売れ筋はずばり野菜。もともと京王ストアで青果を10年間担当していた関井さんは旬の野菜や果物、産地に詳しい。関井さんは「もう春なので、たけのこなど旬の生鮮品や季節の商品がおすすめ。お客様にも季節感を持っていただけるようにしている。」と毎回違う商品が並ぶようにしているという。
街のコミュニケーションの場に
週一回の移動販売は顔なじみの常連も多く、その場所がちょっとしたコミュニケーションの場になっているという。「毎週、来ているお客様が来ないと1週目くらいはどこかに出かけたかな?と思うんですが、一人住まいの方も多い地域ですし、2、3週間と来ないと『どうしたんだろう?』と心配になってしまいます。やはりいつも来ていただいている方が来ないのが一番心配なんですよ。」と関井さんは語る。
高齢者が利用するだけでなく、子育て世代のママさんにも好評だ。サービス開始時から利用しているという子連れの主婦にも話を聞いたところ「子供が小さくて、車が運転できなかったので販売車が家の近くまで来てくれてとても助かっています。下の子はお腹にいる時から通っているので店員さんや常連さんに子供の成長を見てもらえて声を掛けてくださるのが嬉しい。」と移動販売は買い物の利便性だけでなく子育て世代の子供の見守りにも繋がっているという。
約35分間の営業が終わるとすぐに商品は移動販売車に積み込まれ、2ヶ所目に向けて出発する。午前の営業が終わると、京王ストア高幡不動店に戻り、商品を補充して午後の販売場所へ向かうため1日の仕事量はかなり多い。台風などの荒天時には営業を中止する場合もあるが、雨の場合は商品数を絞り、テントを張って営業しているという。
関井さんは「お客様からは来てもらって助かるという声が多い。やはり喜んでもらえれば、我々も励みになるし、また美味しいものをお届けしたい。」と語った。2013年にスタートした京王ほっとネットワーク移動販売は多摩ニュータウンの買い物支援としてだけでなく、街の新たなコミュニケーションの場としての役割も大きい。
- 店名
- 京王ほっとネットワーク移動販売
- お問い合わせ
- 0120-84-5410(受付時間は10:00〜19:00)
- URL(移動販売スケジュール)
- https://www.keio-hot.net/information/news/shopping/