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RISTORANTE YAMA

料理を作っている時が一番、幸せを感じる

多摩センター駅に程近い「青木葉通り」の緩やかな坂道を上がった、閑静な住宅街の中に「RISTORANTE YAMA」がある。通りを挟んだ向かいでは天然記念物のシイの大木が枝を広げ、約200坪ある広大な敷地の片隅では料理用のハーブが育てられている。蔦が絡まる建物の中は、ヨーロッパの邸宅を彷彿とさせるような、異国風の明るい広間になっている。こちらのレストランで提供しているのは手作りのイタリア料理で、その美味しさには定評がある。お店には定番のメニューはなく、その日の食材によって日替わりでメニューを立てているというが、平日の昼は近隣の主婦で賑わい、夜や週末には夫婦や家族連れで賑わっている。その人気店の秘訣を探るべく、オーナーの深澤さんにお話をお聞きした。

料理に目覚めたきっかけは、「美味しいものが食べたい」という思い

深澤さんが小さなころから「美味しいものが食べたい」という思いが強かったが、母親はそれほど料理に情熱を傾ける方ではなかったという。そのために既に小学生の頃には母親に変わって台所に立ち、家族のために料理を作ったりもしていた。
「お陰様で料理人になってからは、食べたことのない食材はないというくらい世界中の食材を食べ歩きました」とはいうものの、今でも子どもの頃に好んで食べた、ケチャップ味のナポリタンなどが大好物だという。

イタリア料理の魅力に目覚める

高校卒業後、「一生、食べるのに困ることはないだろう」という思いから、調理の専門学校に進んだ深澤さんは、19歳の時に「椿山荘」に料理人として入社した。最初の数年間はフランス料理のセクションに所属して、コース料理などについて徹底的に学んだ。「料理人の世界は非常に厳しく、先輩・後輩の上下関係もはっきりしており、時には理不尽な思いもしましたが、ここを乗り切らないと一人前の料理人にはなれないと覚悟していました」という深澤さん自身、部下たちにはかなりきびしく指導した。そのお蔭か、当時の部下たちはほぼ全員が料理長になっているという。
その後、深澤さんは同系列の「フォーシーズンズホテルズ」に移って、イタリア料理の担当になった。それまで専門にしていたフランス料理とは異なって、「お客様に次々と出来上がった料理を提供する」イタリア料理が自分の性分にすごく合っていると気が付いて「イタリアンは何て素晴らしいのだろう!」と感激したという。

料理長アンドレア・サッキ氏との出逢い

この「フォーシーズンズホテルズ」でイタリア料理の料理長を務めていたのが、イタリア人のアンドレア・サッキ氏だった。負けず嫌いの上に、努力を厭わない深澤さんはアンドレア氏にその才能を見込まれて、間もなくスーシェフに大抜擢された。しかし、大好きな料理がほとんど作れなくなったことによるジレンマは大きく、丸4年間スーシェフを務めた後に、会社を“早期退職”して独立することを決意した。このアンドレア氏とは職場での繋がりを越えて友好を深め、ホテル在職中も含めて、計7回イタリアへ旅行に行ったという。「イタリア滞在中はアンドレア氏の邸宅に泊めてもらって、彼のおごりでイタリア中の美味しいものを食べさせてもらいましたね」
6年ほど前には、アンドレア氏がトスカーナのワイナリーで開催した「結婚披露パーティー」にも招かれ、他の50名ほどの招待客と一緒にアンドレア氏お手製のイタリアンに舌鼓を打ちつつ、美味しいワインも飲ませてもらった。

地域の人たちとの繋がりを大切にしたい

多摩市で出店することを決めたのは、都心よりも、東京郊外での出店が理想だったのと、自分が利用してみて、“京王線”と“小田急線”の印象が特に良かったからだという。「実際に家族で多摩市に暮らすようになって、とても住み心地がいいです。特に緑に溢れていて、公園がたくさんある所が気に入っています」
11年前に多摩市に引っ越して来た際に、近隣の住民ともすぐに仲良くなって、家族ぐるみのお付き合いをしている。休日には大鍋いっぱいに作ったカレーを近隣に住む友人たちや常連さんに配ったり、新年早々には、お節料理には飽きているだろう近隣の友人たちのために、ホームパーティーを開いて中華料理などでもてなしている。

美味しい料理は食材よりも、料理人の腕が肝心

「自分はともかく料理をしていれば幸せで、美味しいものを作って人様に喜んでもらえるのが何よりの楽しみです」という深澤さんに、“美味しい料理の秘訣”をお伺いしてみると「食材にはそれほどこだわっていません」という意外な答えが返って来た。「料理人というのは、食材の組み合わせを考えるのが得意で、盛り付けなどの見た目は二の次だと思っています。そして自分はどんな食材でも美味しく作り変える自信があります」実際にキッチンに立っていない時でも、常に頭の中で料理のメニューについて考えているという。また毎日、家族のためにきちんと昼食と夕食を作り、幼稚園へ通う愛娘のために毎朝15分で「キャラ弁当」も作っている。
そんな深澤さんに「人生の目標」についてお伺いしてみると、「料理には手を抜かないこと、毎日を楽しく過ごすこと」だという。自分の料理人としての腕に誇りを持ちつつも、時には仲のいい近隣の人たちに惜しみなくご自分の料理を提供する深澤さんの生き様に、生粋の料理人としての心構えを見た思いがした。

店名
RISTORANTE YAMA
住所
〒206-0033 東京都多摩市落合4丁目7−3
連絡先
042-339-6676
深澤哲也さん 料理人

深澤さんの休日の過ごし方は、デパートの食品売り場などで、食材を見比べて楽しんでいるという。


丘のまち物語/INTERVIEW ISSUE

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