ベジフルキッチン トレーノ・ノッテ ※現在は閉店しています
※現在は閉店しています
多摩センターにある複合文化施設「パルテノン多摩」の5階に多摩中央公園を眺めながら食事ができるレストラン「ベジフルキッチン トレーノ・ノッテ」がある。
今回はこちらの店をはじめ、多摩市内に3店舗の飲食店を運営する株式会社サニーワークスの代表取締役、横須賀 健さんにお話しを伺った。
人生のターニングポイント
横須賀さんは、東京都国分寺市出身で1970年生まれの49歳。
一時期は神奈川県にも住んでいたが、高校2年生の頃から多摩市に住んでいる。
高校卒業後は、大阪の辻調理師専門学校の日本校にて、フランスに半年間留学。
その後、調理師として銀座「三笠会館」をはじめ、青山の有名なフレンチレストランを渡り歩いたのち、国立市内のとある飲食店に就職した。
それまでは調理師一本で仕事していた横須賀さんだったが、ある日、社長からホールへの異動を命じられたという。「実際にやってみたら楽しかったんです。今思えば、それが独立への第一歩だったかなと思います」と話す横須賀さん。
その後、同じ飲食店が運営する横田基地内の3店舗あるレストランのサービスマネージャーに昇格した。当時は、ほとんど英語力はなかったそうだが、持ち前のコミュニケーション力ですぐに基地内にも仲間が出来た。
横須賀さんは、「基地で働く仲間から、アメリカに帰ったら一緒に店やらない?と誘われることもしばしばありました。みんな夢の規模が半端じゃなかった。自分は調理師になったら、いつかは自分の店を持つことがゴールだとばかり思ってたけど、本当はどこに住んでもいいし、何をやってもいいし、自分の自由ということがその時分かって、目から鱗でした。まさに、そこが人生のターニングポイントでしたね」と当時を振り返った。
お客さん同士がつながる店を出したい
横田基地内のレストラン運営は順調だったが、右腕として頼りにしていた人が独立したことをきっかけに33歳の時に独立を決意。和食の店「くにたち桜花」の経営者として出発。その3年後には、立川に2店舗目として「ごじんか」をオープンさせた。
そんな中、2008年にパルテノン多摩5階にオープンさせた店がイタリアンレストラン「ベジフルキッチントレーノ・ノッテ」だ。
多摩中央公園を間近に見ることが出来る店内は、広々として落ち着いた雰囲気。店の外にはテラス席もあり、最大100名までのパーティが可能だ。ひとつ下の階にはカフェメニューが楽しめる「トレーノ・ノッテ・カフェ」もある。
パルテノン多摩は文化を発信する場所。劇の観劇前に食事をしたり、観劇後に余韻を楽しんだり。そんなワクワク感を表現したかったという横須賀さん。
現在は、石窯ピッツァや生パスタとともに、多摩市の友好都市である長野県富士見町産の新鮮な野菜が食べ放題の「サラダビュッフェランチ」が好評を得ているという。
さらに、2013年4月には多摩センター駅前に「ワイン酒場 LiDO 」をオープン。
フランスの社交場『ギャンゲット』のような酒場を作りたかった。多摩センターは綺麗に整いすぎているので、新宿のゴールデン街のような雑多で、ごちゃごちゃした雰囲気が必要だと思ったという横須賀さん。
「お店を開いて『そこから何する?』ということを大事にしたいので、店が立ち上がったら、あとは店長さんに任せてます。今後も多摩市にこうした人が集まれるような店を開いて、料理をきっかけにお客さん同士がつながるような店を出していきたい。いつか多摩市で、街バルイベントを開いてみたいですね」と今後の意気込みを語った。
持続可能なレストランに
人材育成にも力を入れているという横須賀さん。「レストランは、店長やスタッフが楽しく働けないようでは絶対にうまくいかない。働いている人たちが、どれだけ楽しく仕事が出来る環境を整えられるかを常に考えて仕事をしている」と話した。
横須賀さんは現在、伊豆大島に拠点を作り、年の半分はそこで焼酎などの酒造りをしているという。他にもはちみつ(養蜂)、野菜、チーズなども自家生産しているそうだ。
「今後はサスティナビリティ(持続可能)なレストランが大事だと思っている。自分の畑で野菜をつくり、自分たちで料理して、残りは畑に還元してゴミを減らしたり、肉も、魚も野菜も全部自分たちだけで賄えるようにしていきたい」と話す横須賀さん。今では味噌も自分たちで作って店のスタッフに分けているそうだ。
「最終的にはアメリカに出店することが目標ですね」とにこやかに話す横須賀さん。持ち前のコミュニケーション力と行動力で、その夢を叶える日も近い。
- 店名
- ベジフルキッチン トレーノ・ノッテ
- URL
- http://www.treno-notte.com/