多摩市出身のJリーガー・東京ヴェルディ 田村直也選手
多摩市をホームタウンとするサッカーJリーグクラブ「東京ヴェルディ」には多摩市出身の選手が活躍している。今回は2014年から東京ヴェルディでプレーする多摩市出身の田村直也選手にお話を伺った。
田村選手が多摩市に移り住んだのは生まれてまもなくの頃。両親が多摩ニュータウン創成期に移り住んでからの生粋の多摩っ子だ。田村選手はもともと剣道を嗜んでいた両親の影響で3歳から多摩市の多摩スポーツセンターの剣道教室に通い、小学6年生まで剣道に打ち込んでいた。その腕前は多摩市では敵なし、西東京大会で3位の腕前だったという。そんな中、小学生から始めたのがサッカーだった。きっかけは野球とバスケットボールが得意だったというお兄さんの存在。お兄さんと別の競技がうまくなりたくて、サッカーをはじめた。
はじめに所属した落合サッカークラブは技術を重んじるクラブだったという。リフティングやボールタッチなどの基礎練習を重点的に学んだその時の技術がプロになった今でも役立っているそうだ。「今は体幹やアジリティ(機敏さ・軽快さ)も大事なんですが、成長が止まる時、差が出るのが技術なんです」と基礎練習を重点的に指導してくれた恩師には今でも感謝しているという。子どもの頃は意外と物静かで一歩引いて冷静に状況を見るのが得意で、自分から前に行くタイプではなかった。その性格は自身のプレースタイルにも表れていて、自分が前に出るよりも一歩引いてチーム全体のバランスを見ながら、各選手の持ち味を最大限活かせるプレーを心掛けている。
昨年9月、田村選手は自身が代表を務める株式会社TMFCを立ち上げた。この会社は独自ブランドのアパレルの販売をはじめ、定期的なサッカースクールの開催や東日本大震災の復興を支援する活動をしている。昨年12月には多摩市立陸上競技場でクリスマスチャリティーサッカー教室が開催され、東京ヴェルディの選手や田村選手が震災当時に所属していたベガルタ仙台などから多くのJリーガーが参加してイベントが開かれた。「被災地では苦しんでいる人がまだまだいます。この活動をすることで、震災が起きた時の気持ちを忘れないでほしい」と心情を語った。チャリティーイベントは今後も計画しているという。
東京ヴェルディは昨年よりスペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が指揮している。ロティーナ監督はビジャレアルCFなどスペインリーグ(リーガ・エスパニョーラ)で20年以上指導した実績をもつ名将だ。ロティーナ監督について田村選手は「曖昧にしていたところをハッキリと正解に近いプレーを教えてくれる」と絶対の信頼を置く。規律もしっかりしていていて、食事や体調管理も正確に管理しているという。そのデータを見ることで反省する部分もあるそうだ。
そのロティーナ監督はシーズン1年目となる昨年、プレーオフ圏内の5位にチームを引き上げた。しかしJ1に自動的に昇格する1位2位のチームと3位〜5位のプレーオフのチームとの間には数字以上に大きな差を感じたという。「今年でヴェルディでプレーするのは5年目。やはり1番の目標はJ1に昇格すること。それ以外に先日のチャリティーイベントを通して自分が地域貢献の活動をすることで「応援されるチーム」にならなきゃいけないと思います。もう一つはTMFCの活動でプロ選手と交流した多摩市の子ども達が将来的にプロ選手として活躍できるようにすること。そのために自分が活躍することが多摩市への恩返しだと思います」と今シーズンの決意と今後の目標について語った。
最後に今年、副キャプテンを務める田村選手の注目ポイントとしてあげたのはヴェルディ生え抜きの若手選手たち。渡辺皓太選手や井上潮音選手、藤本寛也選手はアンダー世代の日本代表にも名を連ねている。「彼らがシーズン最初の試合から終わりまでに成長する姿を見てほしい。自分はこれまでの経験を全面的に伝えて、後ろから若手選手の良さをどんどん引き出したいです」と若手選手の成長を注目ポイントとしてあげた。
Jリーグ25周年を迎える今年、多摩市出身の田村直也選手が東京ヴェルディ生え抜きの選手の持ち味を最大限に引き出して、悲願のJ1昇格に挑む。
- 東京ヴェルディ 公式サイト
- http://www.verdy.co.jp/index.html
- 株式会社TMFC 公式サイト
- http://tmfc.jp/