メガネ食堂BAR(スタジオメガネ)
多摩ニュータウンの落合団地商店街に昨年6月、設計事務所の一部をつかった「メガネ食堂BAR」がオープン。様々なまちのイベントが開かれる新たな拠点として、盛り上がりを見せている。今回は同店を手掛ける設計事務所「スタジオメガネ」代表の横溝惇さんにお話しを伺った。
設計事務所「スタジオメガネ」
横溝さんは1983生まれの36歳。2009年に横浜国立大学大学院Y-GSAを卒業後、事務所を経て2017年に独立し、落合団地商店街に建築設計事務所「スタジオメガネ」を開いた。
この地を知るきっかけとなったのは2017年の夏頃。一緒に建築設計事務所を立ち上げた横溝さんの奥様、祐子さんの実家がある多摩ニュータウンを訪れた時のことだ。
埼玉県所沢市の椿峰(つばきみね)ニュータウンで生まれ育った横溝さんは、同じ「ニュータウン」と呼ばれる地域がどのような感じなのか興味を持ち、歩き回った。その時に見つけたのが落合団地商店街の空き店舗だったという。
「以前は薬局だったそうですが、かなり長い間空き店舗だったそうです。契約後に2〜3ヶ月かけて自分たちで解体し、事務所を作りました」
こうして2018年1月に完成したのが設計事務所「スタジオメガネ」だ。
「建築スナック」を開催
事務所オープン後、ほどなくして多摩ニュータウン再生プロジェクトシンポジウムを通して知り合った社会学者・三浦展さんとの交流がきっかけとなり、事務所内を使って「建築スナック」というイベントを開催した。市の内外から40名ほどが参加した同イベントは、「ニュータウン」をテーマにした発表や議論のあと、参加者全員で料理を食べたりお酒を飲んだりと親交を深めるなど、大いに盛り上がったという。
「みんなで『郊外』について自由に話したり、一緒に考えたりと、まるでスナックのような雰囲気がすごく良かったんです」と、楽しげに話す横溝さん。「建築スナック」は、現在も数ヶ月に一度のペースで開催している。
さらに「建築スナック」をきっかけに昨年7月まで開催されたのが展覧会「世界の郊外展」だ。事務所内にはニュータウンに関連した展示や書籍が並び、街の人に広く開放した。
横溝さんは、この2つのイベントの開催をきっかけに、多くの人が利用できる食堂を開きたいという思いが芽生えたという。同じ時期に、横浜在住時代に懇意にしていた居酒屋を経営している大野敦史さんが食堂の調理担当として来てくれることが決まり、「メガネ食堂BAR」が2019年6月にスタートした。
多摩の野菜やお酒が楽しめる「メガネ食堂BAR」
「メガネ食堂BAR」では、八王子で無農薬野菜を販売している「フィオ」さんの野菜を中心にした和食やおでん、多摩エリアで生産された食材や日本酒をなどが楽しめる。
近所に住むママさんに人気という予約制のランチは、旬の素材を使った創作のおまかせランチ。取材時は、調理担当の大野さんが最近訪れたというウズベキスタンの炊き込みご飯を、日本人向けに味付けした料理などが出されていた。
「もともと「ニュータウン」で育ったからこそ、ここで新しいことを始めることに違和感はないです。今後は建築だけにとらわれないで、様々なクリエイターが集まって、いろんな活動が出来ると面白いですね」と語る横溝さん。
多摩ニュータウンの商店街に新たな活気をもたらしはじめている。
- 店舗名
- メガネ食堂BAR(スタジオメガネ内)
- 住所
- 東京都多摩市落合4-16-1-105
- 営業時間(メガネ食堂BAR)
- 17:00-22:30ごろ
- 店休日(メガネ食堂BAR)
- 水曜日
- 電話番号
- 042-400-6692
- URL
- https://www.sm-o-o.com/megane-shokudo