E’s CAFE
今年3月、ニューシティ多摩センタービルの8階に日本初の障がい者就労で運営するスポーツバー「E’s CAFE」がオープンした。
今回「E’s CAFE」を運営する一般社団法人パラSCエスペランサの社員で同店のマネージャーを務める臼杵美砂さんにお話を伺った
障がいがある方々に好きなことで働く場を
「E’s CAFE」を運営する一般社団法人パラSCエスペランサが立ち上がったのが3年前。そのきっかけを作った団体は20年前から続く脳性まひ(CP)など運動障害のある子供たちが通うサッカークラブを運営しているNPO法人だった。
そのNPO法人で大学生時代から障がいのある子どもたちに放課後支援教室としてサッカーやバスケットボールを教えていた臼杵さんはそこで教えていた子供達が卒業後、一般企業の障がい者枠になかなか入れない現実を知ったという。
「内面がすごくいい子でも作業所で清掃業務をやっている子が多くて、いつか障がいのある方も好きなことを仕事にできる場を作りたいと思っていました。」と臼杵さんが「E’s CAFE」を作るきっかけを語る。
その後、クラウドファンディングで開業資金を集め、日本財団が全国で取り組んでいる「はたらくNIPPON!計画」の障がい者就労支援のモデルプロジェクトの一環として「E’s CAFE」を協業で運営することが決定。以前からイベント運営などを手伝っていた多摩センターのフットサル場の隣のスペースで今年3月から開業した。
現在ではCP(脳性まひ)サッカーの日本代表を含む6名(うち2名は正社員)の障がい者の方々がこのスポーツバーで週2〜5日間働いている。
人との関わりが持てるスポーツバー
海外ではカフェで活き活きと働いている障がい者の方々が多い。フットサルコートの近くには必ずスポーツバーがあり、そこで練習終わりにお酒を飲んでいる人も多いそうだ。
「人との関わりが持てる場所で明るく働くというのをやりたいと思っていました。」単に飲食だけでなく、スポーツをした後、スポーツを見ながらお酒が飲めるというところからスポーツバーという形にしたと臼杵さんは語った。
そんな「E’s CAFE」の店内はアメリカのダイニングバーを彷彿とさせるおしゃれな空間だ。
壁には障がい者スポーツ競技のチョークアートが描かれ、テーブル席とカウンター席の上にあるモニターからは通常のスポーツ映像や障がい者スポーツの映像が見ることができる。
そこで働く障がい者の方々もみな明るい表情を浮かべていた。
カフェメニューも充実している。
おすすめのランチは生パスタで作るという梅とじゃこのアラビアータ。アールグレイのクレームブリュレも紅茶の香りが良く人気があるという。
コーヒーやソフトドリンクはもちろん、お酒はビール、ワイン、ウイスキー、カクテルとかなり種類豊富でプロテインも飲める。今後はブラジルやイギリスなどの海外ビールやそれに合うおつまみも取揃える予定だ。
誰もが楽しめる交流の場
臼杵さんは「今後は14時以降の時間帯にいかにお客さまに来ていただけるかが課題。障がいのある方がサッカーを通じて明るく働けて、サッカーイベントを企画してその運営とイベント後に参加者がお店で飲みに来られるようなスタイルを作りたい。」と今後の店づくりにも強い意欲を語った。
また、スポーツイベントを企画してその映像を流しながらお店でご飯を食べる企画や、こちらのスタッフとしても勤めているCPサッカー日本代表の試合なども放映を予定しているそうだ。
「障がい者の方々の理解が深まっているなと感じます。」という臼杵さん。日本初の障がい者就労で運営するスポーツバーはスポーツを通じて健常者も障がい者も分け隔てなく、誰もが楽しめる交流の場になるだろう。
- 店名
- E’s CAFE
- 住所
- 多摩市落合1-47 ニューシティ多摩センタービル8階
- 連絡先
- 042-311-2022
- 営業時間
-
- ランチ
- 11:00 – 15:00
- DINING & BAR
- 15:00 – 21:30 (ラストオーダー21:00)
17:30~22:00(土・日・祝祭日) - 月曜・日曜 : 17:00〜21:30(完全予約制)
- 定休日
- 日曜・祝日(※日曜・祝日は貸切営業)
- URL
- http://es-cafe.net/index.html