京王多摩センター駅 武田阿沙美さん
京王電鉄女性初の管区長
京王多摩センター駅は今年3月から大きく様変わりした。サンリオとのコラボで駅全体がサンリオ一色になったからである。今年7月には改札口前の照明はサンリオキャラクターによるステンドグラスに変わり、駅を訪れた多くの観光客がここで記念撮影をする風景が日常的に見られるようになった。時を同じくして京王電鉄に初の女性駅長(管区長)が誕生した。今回は今年7月に京王電鉄・相模原管区長に就任した武田阿沙美さんにお話を伺った。
武田さんは2007年に入社、高幡不動駅の駅係員、井の頭線の車掌経験などを経て昨年7月に相模原管区の副駅長に就任し、この7月に相模原管区長に就任した。京王電鉄の相模原管区は8自治体にまたがる管区。武田さんは京王多摩川駅から橋本駅まで、11駅ある相模原管区を担当する女性初の駅長となった。管区長の業務としてはアルバイトを含めると150名以上が所属する駅係員の労務管理がメインだが、それぞれがモチベーションを高く保って仕事に打ち込めるように「雰囲気作りをするのが一番大きな仕事」と武田さんは語る。
駅全体がサンリオのデコレーションに変わり、子供たちが喜んでくれた
京王多摩センター駅全体がサンリオキャラクターのデコレーションに様変わりして、お客様から「サンリオピューロランドはどこですか?」と訊かれることが多くなり、サンリオを求められていることが多いことを肌で感じたという武田さん。その中でお客様に還元できることはないかなというのが今回の原点と語る。降りた瞬間からサンリオ気分を味わって欲しいという意向から、ホームや待合室もキティちゃんやポムポムプリンなどのサンリオキャラクターが随所に飾り付けられ、7月には改札口前にサンリオキャラクターが京王電鉄の制服に身を包んだステンドグラスが完成。「すごく華やかになって小さい子供たちが「あ!キティちゃんだ!」と喜んでいる姿を見ると本当に良かったなと実感しています。」とコラボの成功に喜びの表情を見せた。
駅の装飾だけではない。駅係員がみんなでつけられるものはないかと武田さんからサンリオに相談したところ、京王多摩センター駅で勤務している駅係員だけがつけられる名誉駅長のハローキティがデザインされた胸プレートが作成された。「最初は男性の社員も抵抗があったようですが、今ではそのプレートを全員胸につけています。」と武田さんのアイデアで駅係員のモチベーションも上がり、一体感が生まれたという。
切磋琢磨しながら何事にも挑戦していきたい
昨年は副駅長として、約1年間地域を見てきた武田さん。その中での多摩市の印象は地域がひとつになってなにかやろうということが多いという印象があったという。そんな武田さんが管区長方針として「昨日の自分を超える!」という目標を定めた。「様々なお客様に対して駅係員は努力しているのですが、まだまだ時代の流れについていききれていないところがある。例えば外国人の観光客のお客様が求めるものに対して、ご案内が出来なかったりする事があるので、それぞれにあった案内が今後の課題」と2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて年々増加傾向にある外国人観光客への課題について語った。
「信頼のトップブランド」を理念に掲げる京王グループ。武田さんは「一人一人が信頼の積み重ねを意識していきたい。今後は地域の発展に貢献するため、様々な価値を社会に発信する役割を京王電鉄の相模原管区が担うというような位置付けで仕事が出来たらいいなと思っています。」と地域との連携についても抱負を語り「駅のメンバーと切磋琢磨しながら外に発信できる機会をチャンスと考え何事にも挑戦していきたい。まだ現場で他に女性管理職がいないので、女性の視点から、お客様にも寄り添えて、駅係員にも寄り添えて、時代の流れも瞬時に判断できる管理職を育てたいと思います。」と後進の指導にも強い意欲を見せた。
女性ならではの気配りときめ細やかなサービスで京王電鉄の新たな時代を切り開く、京王電鉄女性初の管区長・武田阿沙美さんの挑戦は今後も続く。
- 駅名
- 京王多摩センター駅
- 所在地
- 〒2060033 東京都多摩市落合1丁目10番地2
- URL
- https://www.keio.co.jp/