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vol.27

新倉農園

家族や友人と苺を摘む楽しさを、都内で気軽に。

聖蹟桜ヶ丘駅と多摩センター駅の中ほどに位置する新倉農園は、知る人ぞ知る苺狩りで人気の観光農園だ。100gにつき300円(税抜き)と計り売りで、1粒1粒が大切に育てられた美味しい苺だという。

受付開始してすぐハイシーズンの土日の予約がほぼ埋まる。それほど人気な新倉農園の代表 新倉隆さんに、作り始めた経緯やこだわりについてお話を伺った。

運命的なタイミングで出会った苺狩りと新倉さん

都内で苺やブルーベリーの味覚狩りが楽しめる観光農園を作った理由について尋ねると「父の畑をどうしようかな」と思っていたタイミングと、お父さまが亡くなる前に家族で行った「苺狩りの楽しさと、本気で作った苺の美味しさ」この2つが重なったことだと新倉さんは振り返る。

苺狩りに訪ねた農園は山梨県甲府市にあったが、平日にも関わらず都内からの観光客で溢れていた。そこで、東京にもあれば時間やガソリン代を気にせず、気軽に行きやすいのではないか、と閃いたという。

もともと農家の息子として育った新倉さんは、幼少期の思い出から「手が汚れる田んぼ仕事はやりたくない」と思っていたが、その農園でやっていた高い棚で苺を育てる高設栽培を見て「これならやってみたい」と自然に思えたと語った。

「とにかく真面目にやってみる」を実行する新倉さん

何より苺狩りで食べた苺が“練乳が要らないほどおいしかったこと”に感動した新倉さんは、美味しい苺を作るためお手本となった農園と同じ高価な機械を導入。初めての苺作りだったため、月に1度メーカーから来る指導員の教えをしっかり守り栽培した1年目。

自身でも期待していた以上に、販売が出来るほど美味しい苺がたくさん採れるようになったという。

直販では売り切れない程の量だったため、観光農園にすぐさま方向転換をはかり、知り合いの老人ホームに苺狩りを提案したり、当時の地域情報誌「多摩ニュータウンタイムズ」に掲載をお願いしに行くなど行動した。その結果、タウン誌の一面に掲載してもらえ、予想以上の反響があり大ヒットとなった。

その翌シーズンからは苺狩りを楽しんでもらうために、いかに安定して美味しい苺がピーク時にたくさん採れるか、テーマを決めて栽培に努めている。今年は「根っこ、そして葉っぱ、その後実を育てる」という工夫のもと、温度管理や肥料の管理、手入れをされていた。

多摩市の気候と畑の立地に合った3種が楽しめる

苺には数多の品種があるが新倉農園では「あきひめ・紅ほっぺ・アスカベリー」を中心に育てている。この品種を選んだ理由は“味が安定して美味しい苺がとれる”ことだという。「ハイシーズン(ピーク)をどこに持ってくるか」というところで、新倉さんは味覚狩りの体験がメインのため、春休みの3月4月をピークに設定した。

苺は気温や日照時間が非常に大事なため、他の品種を試してみると“最初はとても美味しいが後が美味しくない”と味が安定しなかったり、3月には“苺の株が元気がなくなり、実があまりならない”など、なかなか調整が難しいとのこと。

この3品種は、それぞれ苺の味の特徴も異なる上に、多摩市の気候ともマッチし安定して収穫出来るため丁度良いと教えてくれた。

手間暇かけて育った苺は味が濃くて酸味と甘みのバランスが良い

新倉農園の苺は、どれも葉が色鮮やかで、ハリがあり力強く生えている。苺の実も大粒でツヤツヤしている印象だ。

「まだピークの甘さではない」という状態のアスカベリーを試食させていただいたが、十分甘く、何より苺の酸味など味と香りがしっかりしていて本当に美味しい苺だと感じた。このように、美味しい苺が出来るのは、新倉さんの努力の他にならない。

500平米もあるビニールハウスの中で、わずかな通路を残し所狭しと整列した苺たちの面倒を“1週間でワンサイクル”として、全てをくまなく手入れされている。気温や二酸化炭素量、地温、養液(肥料)の量などの管理は機械で行い数値をチェックし、なるべく美味しい実が多く採れるよう芽の数を調節しているため頭も使う作業だ。

モットーは「お客様にもう一回来たい・誰かに伝えたいと思ってもらうこと」

なぜココまで大変な管理をしているのかというと、新倉農園のモットーである「もう一回来たい・誰かに伝えたい」と思ってもらえる体験を提供することに関係する。「そうお客様に思ってもらうのは本当に大変なこと」と語る新倉さんは「だからこそ自分たちも大変な作業を積み重ねていくことが大事なのかな、と思っている」と笑顔で語っていた。

個人のお客様を大事にして、あえて食べ放題ではなく美味しい苺を食べられる分だけ摘んでもらう“計り売り”の形式にした新倉農園は、食べ放題の苺狩りよりも、ほのぼのとした時間が流れているようだ。

休日に家族や友人とのんびり苺を摘むのは、それだけで素晴らしい思い出になるだろう。お気に入りの苺を選ぶのに盛り上がるお客様も多いそうだ。

予約必須。今後は体験農園などもやっていきたい

苺の数を数えて受け入れ人数をチェックしているため、予約は電話でのみ受け付けているとのこと。すでに受付終了の日程は公式サイトに随時公開される。

最後に今後のビジョンを聞いたところ、体験農園を広げていきたいとのことだった。すでに一部で始めている体験農園がシルバー世代に大変好評だそう。「東京で自然と向き合えるのはとても贅沢なことだと思う。」と語る新倉さん。お子さんの居るご家庭でもレジャーと食育、土いじりでストレス解消と、素晴らしい時間の使い方になりそうだ。

店名
新倉農園
住所
〒206-0015 東京都多摩市落川1179
連絡先(予約)
080-1173-1346
※3月~4月は大変混雑しています。事前に公式サイトをご覧ください※
営業時間
土日:10:00から16:00(苺がなくなり次第終了)
月水木:13:30~
定休日
毎週 火・金
URL
http://www.niikuranoen.com/
シェア畑:
https://www.sharebatake.com/farms/tamaochikawa
代表 新倉 隆さん


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