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アートでひとを呼べるまちにしたい。インタビュー#4「グラフィックデザイナーの相島大地さん」

 

「多摩センターの未来デザイン検討委員会(仮称)」では、まちの”つかい方”の可能性を広げるとともに、今後描いていく「多摩センターの将来ビジョン」に多様なまちの声を反映していくため、これまでのワークショップやイベントで出会った人などから、ディープな声を集めるインタビューを行っています。このうちの一部を抜粋して紹介させていただきます。

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令和4年10月22日(土)、パルテノン大通りで開催されたハロウィンイベントのブースの一角で、普段は美術に関するお仕事をされながら、ご自身でも本のデザインや出版、展示会をするなど精力的な活動をされている多摩市在住の相島大地さんにお話を伺いました。

ーー相島さんはどのような活動をされていますか?

会社ではグラフィックデザイナーとして働き、それ以外に、平日夜や週末の時間を使いながら美術関係の本の出版・デザインなどを行うブックレーベル「DOOKS(ドゥックス)」を運営しています。現代美術、写真、映像、イラスト、絵画、彫刻、ガラス、陶芸、ジュエリー、プロダクトデザインなどジャンルを横断しながら、同世代の様々なアーティストたちとともにたくさんの本を制作しています。書店は持たずに、国内外のイベントに出展、展示会をするなど柔軟な活動をしています。
3年ほど前に子どもが生まれるのをきっかけに多摩市へ帰省しました。
それまでは国内外様々な場所へも足を運んで本のイベント等していましたが、多摩市へ帰省してからは地域の仲間ができて市内でも何かできると思い始めました。パルテノン多摩がリニューアルオープンするタイミングで何かやりたいと思い、令和4年11月19日(土)から21日(月)にかけて市民ギャラリーで、これまで作ってきた「本」の展覧会を開催する予定です。

ーーパルテノン多摩で開催する”本の展覧会”のことについて、教えてもらえますか?

本展覧会は、2020年からの新しいタイトルの本を中心に、各作家の実物の作品も合わせて展示します。また2014年の初期から現在までの全ての本、関連プロダクトも合わせて一堂に手に取ってご覧いただけます。年間10冊程度を制作し、現在80冊ほど出版してきました。それら全ての作家の作品やコンセプトが伝わるよう、一つ一つの本のデザインや仕様(判型、製本の種類、カバー、書体、用紙)を試行錯誤を繰り返して制作しています。本の面白さを知ってもらうと共に、今を生きる作家たちの熱気も感じていただけたら幸いです。
展覧会には、市内の方はもちろん、市外の方が多摩市に来るきっかけにもなれたら良いと思っています。市外の皆さんが見て納得していただけることが大切だと思っています。展示のポテンシャルやクオリティを見て、多摩センターでもこんなことができるんだ!と刺激を受けてもらえたら嬉しいです。
そう思ってもらえることが、市民の皆さんにとっても”わたしたちが住んでいるまちはそんな風に見えるんだ!”という誇りにつながると思います。
今回、トライアル的に展覧会を開催しますが、開催後にはもっとオープンにやりたい、こんなやりやすい方法があるといいな、など気づきがあるかもしれません。

ーー本の魅力って何ですか?

「デザイン」は変化のスピードが早く物として手元に残りづらいように思いますが、それとは対照的に、一度「本」にまとめられたものは、耐久性が生まれます。長い歴史があるように自分達の子供世代、さらにはもっと先までも長く存在し、影響していくものだと思います。時代を逆行するようにも見えますが、今の時代だからこそデジタルとは違い”触れられる”という点が大きな魅力です。また本を通じて、様々な場所や人と共有し、関われることが嬉しいです。

ーー多摩センターでやってみたいことはありますか?

本に関していうと、一つはどのように作ったのか、本が作られる過程などを話したり、見せる”場”があるといいなと思います。また図書館の企画展示等で図書館以外の方がセレクトした本を飾れるコーナーもあると面白いかもしれません。関連作品なども一緒に展示することで著者のバックグラウンドも感じられそうです。
個人的には、学校などにある焼窯を使って子供たちと焼き物を作ったりしてみたいです。他にも多摩市には沢山の良いものがあるので、他の人に知ってもらえるようグラフィックデザインを活かして何かできないか考えています。

ーーものづくりで大切にしていることは何ですか?

わたしは、外から見た時の視点の意識が強く、そこに重きを置いています。
作品や商品の全体像を俯瞰して見て、そのもの自体と、そのものが置かれる空間も意識し、大体10年くらい保つのか、どのような流れにのっていくのかを見据えています。その中でも、どの程度のクオリティで作られているか、どんなターゲットに発信しているかということは大事だと思います。大衆向けではなくターゲットを絞ることも時には大事だと思います。
海外、都心、郊外、地方など、土地やそこにいる人には様々な流れがあるので、それらも意識しながら柔軟に動けるよう心がけています。

ーー多摩センターがこうなったらいいなということはありますか?

既にスタジオメガネさんなどが積極的にやられていますが、学校跡地、団地などの空きスペースも多数あり、それらをもっとうまく活用して文化的なイベント等をさらに増やしていけたら、市外からも沢山の人が来たりして、街も更に活気付くのではないかと思っています。市外から人を呼び込むことで拡散されていき、市民の意識の高まりやクオリティの向上につながると思います。
同じような考え方を持つアーティストや仲間が顕在化するような空間があるといいなと思います。小さいチャレンジを続けられる場所があるといいですね。

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DOOKS Books Exhibition Vol.7
PARTHENON TAMA
2022.11.19 Sat – 11.21 Mon

 

撮影:香川賢志

 

撮影:香川賢志

相島さんが、地元である多摩市で開催した個展の様子を一部ご紹介します。
新しいタイトルの本を中心に、2014年から制作してきた全てのタイトルや関連プロダクトが一堂に介した展示会。

 

本の装丁を手がけたものから中身も含めてすべてご自身で制作されたもの、神経衰弱のカードゲーム、当時一歳だったお子様とのやりとりから生まれた小さな本などなど、相島さんご自身のバックグラウンドも感じられます。

筆者の感性ですが、どれもシンプルに洗練されたデザインで、都会的で、海外のアーティストさんみたい!(尊敬の気持ちを表現しています)と感じました。
おしゃれなカフェに置いてありそうなタイトルの本やアイテムたち。
わたしの部屋に飾ったら絵になるかな、いつものコーヒーがちょっと美味しく感じるかも♪ なんて思いました!
こんな素敵な活動をされている方が多摩市にいらっしゃるということが、ただただ嬉しいです。
みなさまも、相島さんの今後の活動にぜひご注目ください!

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いま多摩センターでは、あなたの”つかい方”の提案、実践をお待ちしています。まちの転換期は、あなたのやりたいことを発揮するチャンスです。きっかけを探している方、情報が欲しい人、下記よりお問い合わせください。

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