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“街なか探究 期末テスト”(多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校 探究学習発表@多摩センター)に参加してきました

まち歩きレポート, 未分類 No Comments

北風が冷たい12月8日金曜日の午後、多摩センターはパルテノン大通りで行われた 多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校  (以下多摩大聖)の”街なか期末テスト”に参加してきました。多摩大聖の高校1年生が1〜2学期を通して取り組んできた「探究授業」の成果を街なかでプレゼンし、それを聞いた市民が採点(投票式に評価)するというイベントで、新しい教育の可能性を見せていただいた気がします。

 

 

 

「探究授業」の基本となる考えは、正しい答えを用意された課題をただ解くという一方通行の授業ではなく、生徒自らが主体となり課題・問題を見つけ、多角的探究を通して、自分なりの答え(結論・解決策)を導き出していくというものです。2022年に文部科学省が新しい教育カリキュラムとしてその方針を打ち出し、多摩大聖では「探究授業」をいち早く取り入れてきたそうです。高校1年生になると、1学期に「探究」の基本となる考え方を座学で学び、「これが正しい唯一の正解である」という日本社会・教育の中で私たちの多くが埋め込まれてしまっている“思い込み”を外していくそうです。2学期にはその思い込みを外した柔軟な考え方や発想を身につけた状態で、実際に教室を出て、社会の中で具体的に、実践的に”探究”(フィールドワーク)がどういうことかを学んでいく。今回の公開期末テストはその授業の集大成であり、教員も生徒たちも緊張と自信・達成感が入り混じった複雑な面持ちでこの日を迎えているという印象を受けました。

 

 

 

 

1グループ6~7人の生徒を無作為に班分けし、1~22班それぞれが、自分たちのテーマ(多摩市における課題)を探究し、それを8枚のスライドにまとめてプレゼンテーションする。その過程全てが成績として評価されます。成績の8割は、校内での授業や探究の過程・生徒の様子を教員がすでに評価済みとのこと、この公開プレゼンの投票結果が残り2割として加算されるそうです。

受付でもらった投票用紙。22班のプレゼンを聞いて自分が良いと思った上位3班までを記入し投票箱に入れます。

各班のプレゼンを聞いて回ります。「理想の公園を作るには?」「多摩センターを魅力的な街にするには?」「多摩市を子育て世代が住みやすい街にするには?」等、それぞれの班が選んだテーマについて5〜10分ほどのプレゼン。テーマ選びの時点で他の班と被っていないテーマを選ぶという、鋭い着眼点を持つ班、プレゼン資料に工夫のある班、プレゼン能力が高い班、参加者と積極的に対話しようとするコミュニケーション能力が高い班、それぞれの班に良さがあり、採点に悩みます。

 

マインドマップを使ったスライドが目を引きました。既成のフォーマットにとらわれないアイディアのまとめ方に自由さを感じます。

 

 

 

 

しかし、最終的には、私たち人間という生き物は、内容・情報の量や質という見える結果だけでなく、その人となり全体を見て評価していると実感するのです。伝えたい思いがあるか、それを伝えようとする熱意があるか・・・やはり私たちはロボットやAIではなく生物であり、表情や身振り・発する言葉の選択・その発し方などはもちろん、それがなくとも一生懸命さ・直向きさがあるか? そういったものを多角的多層的に察知・判断しながら生きているのではないでしょうか? 「探究授業」は、人間がこの社会をどう探究し、どう表現するか、そしてどう生きていくか、その本質的学びになりうる可能性を感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校 入試広報部 探究基幹教員 出岡 由宇(いずおか ゆう)先生 にお話を伺いました。

「数年前にこの探究授業を始めるにあたって、一番の課題は生徒たちにあるのではなく、私たち教員、大人の方にあると気づきました。私たち大人が持ち続けてきた”思い込み”を捨てるために、多摩大聖では教員が自分たちの趣味を真面目に講義するという取り組みから始めました。真面目にふざける、ふざけながらも必死に生きる、それを私たち教員自らがやらねばと思ったんです。それを見ている生徒たちも”思い込み”を外し、自分の好きや閃きを探究できるようになるんじゃないかと思っています。生きていく中での”正解”は教えてあげられないけど、正しく失敗できる道筋を作ってあげる、間違えた時にまた自ら起き上がることができるサポートをする、それが私たち教育者の務めなんじゃないかと」

「僕は学生の頃、学校は好きだったけど、教員は嫌いだったんです。勉強もあまり好きじゃない不真面目な生徒でした。教員になったのはその学校に対する価値尺度の乖離を埋めたかったんです。」自らが、好きになれる教員であろうと模索し続けるその姿こそ探究のお手本であり、このような先生の元で学べる子どもたちを羨ましく思いました。こういう教育の場を、私学だけでなく、あるいは学校という場にとどまらず、社会全体で育み、子どもたちが持つ可能性を無限に伸ばしていければと思いました。

若者のエネルギーとそれを支える先生方の熱意に日本教育の未来を感じながら、冷えた手と熱いハートを擦り合わせながら会場を後にしました。

 

多摩モノまつりin立川での出会い 〜 FARM BAKERY(ファームベーカリー)〜

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先日、多摩センター駅からモノレールに乗って、立川市で開催の「多摩モノまつり」に行ってきました。今回はそこでの素敵な出会いをご紹介したいと思います。

窓から見える景色に子どもは釘付け。多摩モノレールは走行路(軌道けた)が高架になっており、目線が高く、街中をふわふわ飛んでいるような感覚になります。

多摩都市モノレール線は、立川市にある多摩都市モノレール株式会社が運営する路線であり、東京都東大和市の上北台駅から多摩市の多摩センター駅間を走っています。

多摩都市モノレール本社がある立川市、高松駅に到着しました。

 

 

普段見られないような運転台や、モノレール車庫入れの様子など、子どもたちは大喜び。

 

 

 

フードエリアの一角では後援自治体(八王子市、立川市、日野市、東大和市、多摩市) のテントが並んでおり、我らが多摩市のブースを発見。

 

多摩市がホストタウンを務めるアイスランドをフィーチャーしたブースになっていました。

 

 

アイスランドに馴染みの深い焼き菓子が並んでいます。

 

その他、美味しそうなパンもずらり。あんぱん、メロンパン、ハムチーズパン、ウィンナーパン、カレーパン・・・迷いに迷って、メロンパンとポテトフォカッチャを購入。

焼き菓子やパンはすべて、多摩市内で活動する「Farm Bakery(ファームベーカリー)」作。以前取材したシェアキッチン (カドキッチン)を月に2〜3回利用して活動しているパン屋さんです。

私たちが到着したお昼過ぎには、すでに完売している商品もある人気ぶり。出足が遅かったようです。

 

『Farm Bakery』として活動する 田代 京子(たしろ きょうこ)さんと畔上 夏海(あぜがみなつみ)さんお二人にお話を伺いました。

写真:田代 京子さん(左)、畔上 夏海さん(右)

田代さんにパン屋を始めたきっかけを伺うと、「50歳過ぎて、30年以上勤めた仕事場を離れたんです。体調を崩して精神的にも参っていました。退職後第二の人生を模索し、兼ねてから興味があった食、特にパン作りに焦点が合い、思い切って社会人向けの専門学校(リライブフードアカデミー)に1年間通うことに。最初の半年は初心者向けの製パン技術習得コースを、後半の半年でもっと専門的なプロ向けのコースを受講しました。週1回朝から夜までパン作りに没頭し、パンを捏ねていると無心になれることに気づいて、それまでクヨクヨ悩んでいたことが晴れていくようでした」同時期に同じコースを受講していた仲間の1人が畔上さんだったとのこと。

「母がお菓子作りが好きで、私は食べる専門でした」と畔上さん。「小さい頃にパン屋さんに行った温かくて幸せな記憶も残っていて、その記憶に引かれるようにベーカリーカフェでアルバイト。製パンも勉強したいと思うようになり学校へ通い始めました。同じコースで学ぶ中、田代さんは自分のやりたいことを実際に行動に起こして前に進んでいく姿がとても眩しかったです。そんな田代さんと、自分も何か一緒にやりたいと思ったのは必然の流れでした」

学校のコースが半年終わった頃、田代さんは食品衛生責任者の資格をとり、シェアキッチンを利用してパンの受注販売を始めます。クラスメイトとして共に学び、偶然家も近かった畔上さんもその活動に加わり『Farm Bakery』を結成。「田代の田、畔上の畔、どちらもFarm=農に関係することから、『Farm Bakery』という名前にしました」田代さんは笑う。


「前職のつながりで、知り合いにこんなことやりたいと話して回ったら、みんな面白がってくれて、パンの注文が少しづつ増えていきました。今では二人で朝7時から15時の間に分担して11種類のパン約250個ほどを焼き上げ、それを車で配達して回るというスタイルでやらせてもらっています」と田代さん。「パンを受け取ってくださる方々の笑顔が何よりの喜びです」と笑う畔上さん。

(写真:本人提供)

Farm  Bakeryの今後について伺うと、「実は『Farm Bakery』は年内で解消し、来年からはそれぞれの道に進むことが決まっているんです」と田代さん。田代さんも畔上さんもそれぞれ開業を目指して準備を進めているとのこと。
「長年福祉の仕事をしてきたこともあり、地域の皆さん、特に子育て世代が、安心して集える場所を作りたいんです。パンはあくまでツールの一つであり、カフェとして開放したり、味噌仕込みや梅ジュース作りなど、四季折々の手仕事や知恵を次世代に伝える場であれたらと思っています。ここだと思えるいい物件も見つかり、今は新しいお店作りのことで期待に胸が膨らんでいます」と目を輝かせる田代さん。

畔上さんも「田代さんの勇気に引っ張られるように一緒に活動させてもらっていましたが、今はその勇気に背中を押され、私も自分でお店を持つという夢にチャレンジしてみようと思うようになりました。まだ少し先になりますが自分のペースで進んでいければと思っています」

お二人によるとパンは非常に繊細な生き物で、外的要因(室温や湿度など)によって左右され、適切に加水したり、パンの様子に常に気を配る必要があるんだとか。それ以外にも、作り手の気持ちも出来上がりにしっかり反映されるそう。「とあるパン屋に1人の子どもがパンを買いにきました。その子は店の常連で、店主が並べたパンをいつものように眺めると『おじさん今日のパンは笑ってないね』と一言。」

「この話は私たちがパン作りを学んだ学校の先生から、作り手としての心構えやお客様に対する心遣いを教えてもらう中で聞いたエピソードのひとつです。その先生との出会いも含めて、私たちはいろんなものや人との繋がり、全てがあってこその存在であり、そこに感謝できているか、ちゃんと心が通っているかどうか、パンを捏ねる時の”思い”は発酵具合や焼き上がりにそのまま影響します。見た時、触れた時、食べた時、それは確実に相手に伝わるんです。だからこそ、自分たちが元気に楽しく笑顔で精一杯生きること、それができることに日々感謝すること、それが何よりも大切なんですよね」と田代さん。

今後のそれぞれの活躍を期待すると共に、私たちもお二人が作る”ニコニコ笑顔の幸せパン”にいつかどこかで出会い、その有り難みに気づけるだけの心を持ち合わせていますようにーー。

Farm Bakery (ファームベーカリー)

※ 2023年12月21日で2人の活動は終了し、2024年2月より田代さんひとりでのカドキッチン多摩で販売。詳細はインスタでお知らせしています。

 

カドキッチン多摩

◆ Instagram:https://www.instagram.com/kado.kitchen

◆ 公式HP: https://www.kadokitchen.com/

【住所】東京都多摩市百草1146−1稲荷塚コーポラス 106号室

【アクセス】京王バス(聖蹟桜ヶ丘駅9番から乗車)落川バス停下車徒歩5分 (多摩センター駅5番から乗車)愛宕東バス停下車徒歩6分

   ※ 駐車場2台分あります

<OPEN1年記念> 多摩市聖ヶ丘 『タネノス 美術ひろば 』に行ってきました。

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今回は、聖ヶ丘商店街にある『タネノス 美術ひろば』に行ってきました。10月28日でOPEN1周年おめでとうございます。

ひとり ひとり に 

おきにいりの 「タネ」があります。

わたしたちは みんなの 「タネ」が

そだつばしょを つくってみたい

と、かんがえました。

※タネノス リーフレットより

「どうぞ」と言わんばかりに、つい座りたくなるような椅子が並べられた入り口。「どうぞどうぞ」と言われるがままに中へ

段ボールで手作りされた「OPEN」サインに、温もりを感じます。

中に入ると、左手にアトリエ<美術教室>があり、右手にカフェスペース<お茶の巣>とギャラリースペース<gallery tanenosu>が。奥左側にキッチン、右側に画材販売スペース<ひきだしの巣> 。ひとつひとつにこだわりが光るセンスの良い空間ですが、初めてでも気後れさせない、オープンで風通しの良い雰囲気です。そこここに散りばめられた手作りの歪さや自由さが空間に温もりをプラスしています。

ここを運営しているのは、タネノス共同代表の初田珠里さん(上)と 西畑うららさん(下)。二人は以前同じ職場で働いていた縁からこの場所を一緒に作ることになったそうです。「初田さんも、ここの他のスタッフも一緒に書店で働いていた仲間なんです。とにかく仲が良い職場で、辞めた後も交流が続き・・・自分の悩みややりたいことなどをみんなと共有しているうちに何か一緒にできるかもという思いが芽生え、“できる”という自信につながり、今に至っています」と西畑さん。

西畑さんは当時抱えていた子育て中の悩みから、学校でも会社でも家でもない「自分の居場所がある」大切さに気付き、そういう居場所をつくりたいと考えるようになったと言います。「大事なのは、自分の土台(タネ)を認めてあげられる場所。“タネノス”に来てくれる大人も子どもも、そしてここで働くスタッフも、それぞれの好きなこと、得意なことがあり、その“タネ”を育てる大きな巣のような場所であれたらと思っています」

その「タネ」を見つけ育てるヒント・手助けとして、美術教室があり、カフェがあり、ギャラリーがあり、画材店がある。美術教室だけ、カフェだけ、と限定するよりも、同時に並行してやることで、この場所を訪れる人の層も多様化し、異年齢のつながりや思いもよらない交流が生まれる。その繋がりもまた、誰かの「タネ」となり得る。

 

『タネノス』の中心 <美術ひろば タネノス>は美術を根底として、子どもから大人まで自由に好きなことを制作できるようにサポートする美術教室です。アート制作を通して、「想像力」「やる気」「自己表現力」「他者理解」を育むことを目的としています。

初田さんは多摩美術大学絵画学科版画科を卒業。卒業後、ギャラリーやカフェで作品を展示する作家としての活動や、保育園や幼稚園、発達障がい児デイサービスでの美術講師経験を通し、『タネノス』の初期構想をイメージし始めたという。

教室の棚には、絵や制作の「タネ」になりそうなものがあれこれ置いてあります。「貝殻やシーグラス、木の実など、買ったものもありますが、多くは近所の方や生徒さんが集めて持ってきてくれたものです」捨ててしまいそうな紙切れや、毛糸の端切れなども大切な「タネ」。

 

それぞれの「タネ」を切ったり貼ったり、色を塗ったり・・・形を変え、たくさんの宝物が出来上がります。

 

やりたいことと発達のアンバランスを見守り、サポートすることが大切なんです。作品は自分の分身のような存在なので、まずは共感するところから始まります。できた/できないということをこちらが評価することはありません。成果や結果だけでなくプロセスも大切だと思っていて、本人が満足する状態で創造・自己表現ができているかを見守るようにしています。誰しも(特に小さい子どもは)やりたいことと発達のアンバランスが自分自身の “できる、できない” の評価につながりやすい。本人の思うまま自由にやるのを、手も口も出さずにただ見守る方が良い時と、技術面をさりげなくサポートして伸ばす方が良い時があります。また、単純にその日の気分によってプロセスや成果が大きく左右されることも。制作しながらも、今日はたくさん話したい!という部分が見えれば話を聞くに徹することもあります。そんな日は何かが完成しなくてもOK。こんなことを考えているんだな、こんなふうに感じているんだなと、その子の「今」を汲み取ります」

 

『タネノス』は、美術を創作するという側面だけでなく、見せる、見るという体験も通して五感を刺激し、新たな視点、新たな対話、新たな関係を生み出そうとしています。教室と同じ空間にギャラリースペースを設け「絵や美術を通して、年齢や性別、職業、力関係なくみんながフラットに付き合える関係を築きたいんです」と初田さん。

カフェ側の壁2面を利用し、期間毎にプロの作家作品の展覧会を行っています。入るのにも勇気がいるような敷居の高い仰々しいギャラリーではなく、ごく身近に感じられる展示を、カフェでお茶・食事をしながら、美術教室のレッスンの合間に、ふらっと立ち寄って、など見る人のタイミングに合わせて自由に鑑賞することができます。

 

 

この日の展示はわっしーさんことわしずひろあきさんによる『piano piano』。ご本人がふらっと現れ、レコードをかけながら絵の創作をしていらっしゃいました。

 

美術教室に通う子どもたち、その保護者、ギャラリーとカフェを訪れる人々、展示するプロのアーティスト、タネノスのスタッフ、美術を通して色んな人が相互に関わることで、新しい「タネ」が芽吹きます。「この場所を作るときに、おうちのリビングのようなイメージがありました。リビングにあるテーブルで子どもが工作したり宿題したり、大人も家事や仕事をしながら見守る…そんな風景です」

 

 

大人が見守りながら、子どもたちが安心して好きなことができる空間。

この日は小さなお子さんが多かったですが、曜日や時間帯によっては中高生もいます。「子どもたちが楽しく過ごしてくれる、”落ち着く”って言ってくれる、そういう場所で在れていることがとても嬉しいです」と初田さん。「ここは商店街で、学校も近いので、地域の子どもたちとの関わりも多いんです。登下校中の子どもたちが “いってきます” や “ただいま”と声をかけてくれたり、途中で摘んだお花をくれたり、店の外でのやりとりにこちらも癒されます」と西畑さん。

タネノスの共同代表である(左から)初田 珠里さん、西畑うらら さん

「力まず、お散歩ついでにフラッと日常に “タネノス”を取り入れてもらえたら嬉しいです」と声を揃えるお二人。

 

タネノスはみんなの「タネ」を

たいせつにできるばしょです

ゆめがつまった「タネ」が

すくすくそだちますように・・・

※タネノス リーフレットより

 

※ <Cafeお茶の巣>では飲み物や軽食、スイーツ等を提供しています。定番メニューの他、季節ごとに変わる限定メニューも。

 

 

※店内奥には、厳選された品揃えの画材店<ひきだしの巣>もあります

 

 

タネノス

住所:東京都多摩市聖ヶ丘2−22−3−2(聖ヶ丘商店街内)
電話:042−401−8590

 

オープン時間

月曜日・日曜日 10:30〜18:00

火曜日〜土曜日 10:30〜20:00

※カフェ:ラストオーダー

日曜日・月曜日 17時

火曜〜金曜   19時

 

◆ 公式HP:  https://www.tanenosu.com/

◆ Instagram:https://www.instagram.com/kado.kitchen

 

 

 

 

 

 

多摩ランタンフェスティバル2023に行ってきました

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多摩豊ヶ丘・貝取エリアで開催された多摩ランタンフェスティバル2023へ行ってきました。

フェスティバル(お祭り)の醍醐味は、私たちが当たり前に暮らしている日常空間で非日常を演出すること。日々暮らす場所を華やかに装い、住まう人々の心を高揚させ、特別な時間や空間・次元を演出し、そこに集う皆でその時間と空気を満喫する。「綺麗」「楽しい」「すごい」そんな気持ちが「この場所に繋がれてよかった」と、目の前の景色や人、そして日々を大切に感じ、退屈し焦燥していた心に灯りが灯る。ランタンフェスは、それを目にみえる実際の”灯り”を用いて試みています。

 

イベントの開催は10月2日(月)から10月8日(日)まで。会期中、メイン会場となるJ Smile 多摩八角堂と豊ヶ丘商店街〜貝取商店街の遊歩道を色とりどりの”灯り”で繋ぎます。最終の2日間10月7日(土)・8日(日)は、15時からフードトラック、ライブパフォーマンスステージ、ワークショップブース等が立ち並び、賑わいは最高潮に。5回目の開催となる今年は「ニュータウンの夜長」をテーマに、ランタンが映える時間を長く楽しめるようイベントの終了時間は昨年の18時から20時に延長されたとのこと。

 

今回は最終日の10/8(日)に、子ども2人を連れて行ってきました。色とりどりのベトナムランタンが八角堂を彩っています。その数なんと200個。

 

 

ガチャガチャの空カプセルを利用した「たまのニューランタン」も美しく並び、風に揺らいでいます。

ニューランタンには短冊がついており、参加者皆の「プチハッピー」が書かれているんだとか。一つ一つ読んで歩くと幸せな気持ちになります。

一旦八角堂を離れて、豊ヶ丘商店街の方へ遊歩道を歩きます。車もなく、子どもを連れて歩くには安心な環境です。慣れた道ということもあり、普段のお散歩感覚で子どもたちはずんずん先に進んでいきます。途中「不思議な”部屋”を発見した!」とその歩みが止まり、ようやく追いつきました。白い暖簾で藤棚を覆い、ライトで演出。外から見るとちょっとしたディスコのような空間です。

中にはいるとライトとオーナメントがきらめいています。

プラネタリウムのような雰囲気もあり、光の煌めきをしばし堪能。子どもたちは光や色の変化を興味深そうに観察しています。

豊ヶ丘商店街エリアに到着。フードや雑貨、ゲーム、様々なブースが並びます。テントの下で座って飲食も楽しめるエリアです。

お腹が空いて食事タイム。

 

稲城市の古民家カフェ『いな暮らし』さんの手作り無添加お弁当 。低農薬・無農薬の野菜のおかずや車麩カツなど、優しい味にほっとします。

その他サポートれんげさんのいなり寿司に、たま整骨院さんの焼きとうもろこし。

「今日はお天気悪くて全然売れないんです!」「仕入れすぎちゃって…まだこんなにあるんです」と大量のとうもろこしを見せてくれ、「買ってくださーい!」「お願いしまーす!」と元気に道ゆく人に声をかけ、その姿にたくさんの方が足をとめ、温かな笑顔と眼差し、そして小銭を出して彼女たちに渡します。

甘くて香ばしい焼きとうもろこしを頬張った後は、気ままに歩いて回ります。

割れた陶器やシーグラスをセンスよく繋いだ「金継ぎアクセサリー」のお店で足が止まります。「多摩市内で蔓や麻ひも使った作品作りや金継ぎワークショップを開催している作家さんのブースでした(次回の金継ぎWSは12月9日14時〜場所は落合商店街のスタジオメガネにて)。今回は作家仲間3人での出店とのこと。

(左から) 灯香キャンドルさん、テノマノさん、haretona さん。

楽しい軽快な音楽が聞こえてきました。

 

観る方も、演る方も、それぞれ好きなおやつやビールを片手に集っています。観客席で観ていた女の子からもらったグミを頬張りながら演奏するパフォーマー。ゆるゆると楽しむ雰囲気が心地よい。しばし音楽に酔いしれた後は、さらに歩いてイベント会場の端、貝取商店街まで。

この日は時々雨もぱらつき、傘をさしたりひさしの下で休んだり、雨を凌ぎながらのお祭り。「雨だから帰ろう」とならない、むしろ雨だけど楽しい、これもお祭りならではの高揚感だと思います。

 

 

お腹もいっぱい、歩きくたびれヘトヘト、いよいよ陽もくれてきたので元来た道を引き返します。行きとは違う、灯りの灯った、多摩の風景に、人の表情の変化に触れた時と同じような、ときめきと温もり、そして親密さを感じます。

 

 

 

 

 

 

非日常の高揚感を携え、また日常へと帰ります。

帰りの車でトゥクトゥクとすれ違い、ここが多摩なのか遠い異国なのか、いよいよ曖昧に…

 

馬引沢『金山(きんやま)定食屋』さんへ行ってきました ※現在は閉店しています

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今回は今年2023年8月にオープンした「金山(きんやま)定食屋」さんに行ってきました。

場所は多摩市馬引沢2丁目、コンビニ、寿司屋、パン屋と並ぶ通りに位置しています。

この日伺ったのは遅めのお昼14:00。営業時間は年中無休、午前10:00~午後8:30まで、お昼休みなくお店を開けているとのこと(火曜日のみ午前10:30~午後3:00まで)。

店内を覗くと学生らしき若い男性が1人で座っていました。1人で気軽に入りやすい雰囲気にほっとして、アクリルの引き戸を開けて店内へ。

店内は白く明るく、こざっぱりしています。どこか懐かしい定食屋の雰囲気ですが、古臭さはなく、どことなく異国の雰囲気を持ち合わせた不思議な空気感。

テーブル席はなくカウンター席が15席、まさに定食屋スタイル。

壁のあちこちにメニュー写真が貼ってあります。

この店を切り盛りしているのは、ミャンマー人の店主 フューピァトィンさんと その従姉妹のモーモーミンさんのお2人。

先客の男性が食べていたのは「からあげライス」。ご飯の上に大きな唐揚げ4個と付け合わせのサラダ。コンソメスープがついて750円です。

メニューの価格を見て、そのリーズナブルさに驚きました。

あんかけラーメン500円、焼きそば、カレーライス各600円、ガパオライス 750円……。コーヒーやジュースなどのソフトドリンクは50円〜100円で提供しています。

「大繁盛したいとは思っていない。自分だけ、このお店だけでなく、このお店に来る人、お店の周りの人みんなに幸せが巡るようにと思っています。でも、最近は物価が高くて、来年からはもう少し値上げになると思います。大学生にはお腹いっぱいになってほしいから、ご飯大盛りを無料でサービスしてます」と店主のフューさん。

その謙虚さにファンがつくのか、初めて来た学生が、次来るときは友達を連れて来てくれたり、近所のおじさんが口コミで周囲の方に紹介してくれたり。人伝に少しづつ着実にお客さんを増やしているようでした。

「ミャンマーの、バチカンとマンデリンの間にある街に生まれました。小さい頃、祖父母が飲食店を営んでいて、放課後や長期休暇の際に私もよく手伝っていました。その頃から料理が好きで、ずっと自分のお店を持つのが夢でした。2014年に仕事の都合で日本に来ましたが、色々あって飲食店で働くように。様々なジャンルのお店で、キッチン、ホール、賄い担当などを経験しながら、日本人の口に合う料理を研究してきました」

この店では牛肉や豚肉料理は扱っておらず、鶏肉を使った料理のみ。味付けは鶏ガラと大豆ソースがメイン。自国ミャンマーの調味料は日本では入手が難しく、タイ製の調味料で代用しているとのこと。日本の醤油や味噌より甘めなのが特徴なのだそう。人気メニューはチキン玉ねぎ炒めライスとガパーオライス。

「今後、鶏の串焼きや、魚や海老を使った定食メニュー、ビールなども追加しようと考えています。ミャンマーの辛い料理も土日限定でお客さんの反応を見ながら少しづつ出していきたいです」

今回いただいたのは、チーズロールチキンコロッケとカレーライス。「コロッケは中にチーズが入っていて、チーズの量が多すぎると破裂してしまうので、破裂しないよう量を調整しています」

カレーライスは奇をてらわない、家庭的で優しい味わいのカレー。その素朴な味に、お店の佇まい同様、どこか懐かしさを感じつつも、異国の風味があり不思議な気持ちになりました。

コロナのことや自国ミャンマーでのクーデーターがあったりと、2020年から一度も帰国できていないというフューさん。「ミャンマーに帰れず寂しいけど、多摩市の皆さんはとても優しいし温かい。空気もいいし、緑も多いし、のんびりした環境。ここでお店を持てて本当に良かったと思っています」

言葉の壁や生活習慣の違いなど、ハードルも多そうでしたが、朗らかに笑顔でお店を切り盛りしている姿がとても印象的でした。

「お店をやっていくのに大変なこともたくさん。でも、大変なのは私だけじゃない。日本人じゃないから大変ってことでもない。お店をやるなら日本人でも誰でも通らなければならない道だし、人生ってのは、いつでもどこにいても大変なことはあるし、悩むことも多い。だから、ここから逃げずに頑張ろうって思います」

最後に写真撮らせてくださいとお願いすると、「写真は恥ずかしい」とはにかむ店主のフューさん。

「ありがとうございました。また来てね」と優しい声で見送っていただきました。

ごちそうさまでした。

 

金山定食屋 (きんやまていしょくや) 

住所:東京都多摩市馬引沢2丁目12−3

営業時間:10:30〜20:30 (火曜日のみ10:30〜15:00)

定休日:なし

アクセス:小田急/京王永山駅 徒歩10分

諏訪1丁目、馬引沢2丁目バス停 徒歩2~3分

※支払いは現金のみ

 

完全復活の「第24回永山フェスティバル 2023」に行ってきました!

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コロナ禍で自粛していたイベントが戻りつつある2023年。地元民に愛されている永フェスこと『永山フェスティバル』も実に4年ぶりに完全復活。昨年2022年は規制があり、規模を縮小しての開催でしたが、今年は小田急永山駅と京王永山駅前にある「ベルブ永山」「グリナード永山」「ヒューマックスパビリオン永山」の3施設をめいっぱい使用しての開催。

今年で24回目の開催、100を超える市民団体がこの日のためにパフォーマンスや出店の準備をしてきました。初日の9月23日(土)は生憎の雨模様だったようですが、私たちが参加した2日目 の24日(日)は天候にも恵まれ、心も身体も大満足の熱い1日となりました。

“永山フェスティバルは、地域住民、市民団体等との交流を通じて地域の活性化、元気な街づくりへ繋げることを目的に、行政・民間・市民が一体となり、開催するイベントです。(公式HPより)”

4つのステージの中でも一番大きな「グリナード広場ステージ」。トップバッターは多摩太鼓愛好会の皆さん。息の合った力強い太鼓のリズムと響きに圧倒されました。オーディエンスの皆さんも身体を揺らしたり手拍子したりと存分に音を楽しんでいました。

その後のパフォーマンスも皆さん思い思いに表現していて、とても楽しく、熱く、観覧しました。

実行委員会の方々が着ていたオレンジ色のTシャツには「永魂」の文字。永山への熱い想いを感じます。

「永山フェスティバルは、他のお祭りより子どもが楽しめるお店や催しが多いので、開催を楽しみにしていました。我が家は昨日も今日も、2日連続で来ています」2人のお子さん連れのお母さんに話を伺いました。ニコニコ笑顔の小学4年生の娘さんに何が一番楽しみか尋ねると、「幼稚園の頃に多摩のアイドル ディゼル(des ailes 26)を見てからずっとファンです。今日のステージも楽しみ!」と教えてくれました。

早速、des ailes 26のステージ目当てで、グリナード永山2階マクドナルド前の「うぇるかむ広場ステージ」へ。

たくさんのファンが集まっており「若いって素晴らしいなあ」と少し遠巻きに見ていました。

しばらくして、聞き覚えのある曲が流れてきました。普段グリナード永山で買い物をしているとよく耳にする馴染みの曲が、彼女たちが歌う「NAGAYMA SONG」だと知り、一気に距離が縮まりました。

 

 

 NAGAYAMA SONG  ※ 歌詞抜粋

 緑に燃える 小高い山並み 輝く光の塔

 トンネル抜ける 電車の窓に 映る夏の風

 にぎわう街のあふれる笑顔

 きらめくそれぞれの Story

 強い想い 勇気を持って 進もう明日へ

 SMILE ! 君と出会えた

 SMILE 楽しい街

 NAGAYAMA トキメキのまち

 NAGAYMA 喜びの街

 熱い想い輝く空に 今、ありがとう

こちらの曲は2017年に永山フェスティバル20周年を記念して、実行委員会が中心となって製作したオリジナルソングなんだとか。この永フェスが長い時間の中で、たくさんの人の手によって育まれ、地元民に愛されてきたことがよくわかります。

 

パフォーマンスの合間には、子どもたちと模擬店巡りも楽しみました。

欲しかった狐のお面を被って偶然会ったお友達と一緒に記念撮影📷

初めて射敵に挑戦する子ども達に周囲の大人たちが「こうやって構えるんだ」「もっと腰を落として」「手がぶれると弾もブレる」と一生懸命アドバイスしてくれ、そのやりとりに心が温まりました。他にも、輪投げやサイコロゲーム、会場全体を使ったスタンプラリーなど、子どもが楽しめるお店や催しがたくさん。

9つのスタンプを全部集めてガラポンに挑戦。

永山のゆるキャラ「永どん」も登場。

たくさん遊び、お腹が空いてきたので食べ物屋台を見て回りました。美味しそうなものがいっぱいで目移り👀

お店を見て回っていると、「リユース食器 貸し出し・返却コーナー」という看板を発見。

こちらは、多摩市消費者団体等連絡会 エコ・フレンドリーのブースでした。

「以前多摩市の小中学校ではメラミン食器を使っていたんですが、2008年度に給食センターの食器を強化磁器に買い替えたんです。使わなくなった古い食器を利活用するため、多摩市と協働してリユース事業を始めました。イベント等でコップ、汁椀やお皿、お盆、 塗箸を無料貸出し、私たちの団体が洗浄・殺菌・貸出準備、食器の在庫管理を行っています。永山フェスティバルでも、希望者に食器を無料貸し出ししています。実践を通して多摩市のリユース食器をPRできたら。」とエコ・フレンドリー代表の平野 紀美子さん。

同じブース内では「みず多摩」がペットボトルの使用を減らすPRも。無料の給水サービスもありがたかったです。

せっかくなので私たちもリユース食器を利用してみることに。借りた食器をお店の人に渡して「これに入れてください」と伝えると、慣れた様子で、出来立てをお皿に盛ってくれました。

持ちづらいプラスチックパックより安定感があり、子どもも食べやすそうでした。食べ終わった後は、そのまま借りたブースに返却。

食後のデザートは、「豆腐工房れすと」の豆乳おからドーナツと、お祭りフードでお馴染みのかき氷、ラムネをいただきました。

お腹が膨れたあとは、しばし暑さを凌ぎに「グリナード永山」屋内へ。2階のワークショップエリアでアーティストさん子さんの「ハッピーブローチ」作りとエコベル (ペットボトルを使った楽器) の演奏会「空から音が降ってきたぁ!」に飛び入り参加させてもらいました。

「楽しい(自律した)大人が増えれば子どもたちは自分の未来に夢と希望を持って進んでいけると思うんです。いろんな方々と繋がりみんなで楽しんでいきたいと思っています。」とエコベル研究会の山澤 ほなみさん。

「まだ帰りたくない」という子ども達をなんとか外に連れ出し歩いていると、出会ってしまいました、バルーンアート。これで最後ね、と約束し、好きなものをオーダー。マニアックなオーダーに「うまくできるかわからないけど、頑張ってみるね」と果敢に挑戦するバルーンアーティストのお兄さん、流石プロ!

子どもに人気の漫画・アニメ「推しの子」の有馬かな。分かりますか?

まだまだ楽しい催しが続く中、うしろ髪引かれながら家路につく夕暮れ。

帰宅後、疲れて夕食作りを怠けてしまいそうでしたが、お土産に買った「多摩焼き」の片口のおかげで上機嫌で夕食作りに勤しみました。

子どもと一緒に作ったハッピーブローチもニコニコ笑っています。

朝から晩まで多摩市永山の魅力を堪能し、コロナ禍を経て「永山フェスティバル」を完全復活させた実行委員会はじめ関係者の皆さんに心から「ありがとう」を伝えたいです。

 

少人数制会員シェアキッチン 『カドキッチン多摩』 に行ってきました

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車通りの多い道から外れた住宅街にある小さな曲がり角、ひっそり佇むどこか懐かしい、小さなアパートの角。

 

今回は、多摩市百草にある会員制のシェアキッチン  『カドキッチン多摩』さん に伺いました。

 

元々6畳間だったアパートの一室を改装し、キッチンスペースとカフェ・販売スペースに仕切ってそれぞれレンタルされています。

3畳スペースのキッチンには業務用ガスオーブンや、電子オーブンレンジをはじめ、冷蔵庫、パワーブレンダーやミキサー、スケールやふるい、包丁、泡立て器、軽量カップ、キッチンタイマー等、初心者もプロも満足できるキッチン用具があれこれ。

お菓子の試作品作り、イベントやネットショップ販売のための仕込み、隣接のカフェスペースを利用した1dayカフェ・・・可能性は無限に広がります。利用者はプロの料理講師、飲食店開業を考えているスタートアップの方、主婦、学生等、幅広い。菓子製造許可及び、軽飲食店営業許可を取得しており、爽やかなターコイズブルーの扉を隔てて、カフェスペースがあります。

 

所々にあしらわれた猫モチーフや差し色の青に癒される、隠れ家のような落ち着く空間です。

ここの何よりの魅力は、日によって、利用される方によって変わる、スペース内の空気感。

 

この日のキッチンからは焼き菓子の甘い、いい香り。

 

看板には『こころとからだがよろこぶ 米粉のおやつ 空羽(くう)』の文字。

グルテンフリー、アルミフリー、白砂糖フリー、素材に拘った優しい甘さの手作りおやつ屋さんの出店日でした。米粉で作ったシフォンケーキやパウンドケーキ、台湾カステラなどが人気とのこと。

店主は、月1〜2回のペースでキッチンを利用しているという、市内在住の辻原 久美子さん。

辻原さんは2児のお母さんでもあり、一時期 産後うつ、育児ノイローゼ、摂食障害等に苦しんだこともあるとか・・・

たくさんの学びや出会いを通してようやく暗いトンネルを抜け、長年育んだ ”夢” の実現に向けて一歩を踏み出したそうです。

「慌ただしい日常の中で、ほっとくつろぐ時間のお供になるおやつをお届けできたら」と話す辻原さん。

庭先から靴を脱いで店内に入るスタイルは、

他所のお宅に縁側からお邪魔するようで、懐かしい気持ちになります。

辻原さんを頼りに市内外から初めてここを訪れるお子さん連れの他、ご近所に住む『カドキッチン』の常連さん、オープンに合わせてお客さんがやってきました。

「赤ちゃんが生まれる前に買いにきました。」

嬉しそうに笑うお母さん。

「とっても美味しい!」

焼きたてを試食して飛び跳ねる小さな兄弟。

 

「お団子屋さん、パン屋さん、お菓子屋さん、ここでいろんなお店が開くたびに買いに来てます。今日もカドキッチンさんのInstagramを見て来ました!」

 

みんな幸せをたずさえ帰ってゆきます。

 

 

「この場所は、コロナ禍で社会が経済的にも、人同士の繋がりとしても、閉鎖し困窮していたことから始めたんです。」

『カドキッチン多摩』のオーナー 大友 聡さんにお話を伺いました。

コロナ禍のような人の流れも経済も止まってしまう大変な時であっても、地消地産の小さい経済を生み出すことで、”夢”を持てる社会にしたかったと言います。

 

「夢がある人を応援すると同時に、限られた条件であっても、人と人とがコミュニケーションでき、交流できる場というのを作りたかったんです。」

 

本業の翻訳家をする傍ら、ゲストハウスの運営やシェアキッチンの運営を始めたのが2年前。

『カドキッチン多摩』から始めて、着実にファンと自信、実力をつけ、卒業していった元利用者さんたちのその後を誇らしげに語ってくれた大友さん。

 

「この場所の卒業生が何よりの自慢なんです。」

 

最後に、大友さんの “夢”を尋ねると、

「この場所をもう少しお店っぽくできたらいいですね、軒先にストライプのオーニングを張ったり、あとは電気工事とか 笑」

そんな堅実な計画に加えて、壮大な “夢” もこっそり教えてくれました。

「次は、夢がある学校をつくりたいなあ。」

<カドキッチン多摩のオーナー (左から)大友ひとみさん、大友 聡さん>

 

カドキッチン多摩

【住所】東京都多摩市百草1146−1稲荷塚コーポラス 106号室

【アクセス】京王バス(聖蹟桜ヶ丘駅9番から乗車)落川バス停下車徒歩5分 (多摩センター駅5番から乗車)愛宕東バス停下車徒歩6分

   ※ 駐車場2台分あります

◆ Instagram:https://www.instagram.com/kado.kitchen

◆ 公式HP: https://www.kadokitchen.com/

*キッチン設備・内部の様子 写真提供:カドキッチン多摩

多摩市発のアパレルショップ「TANUKI STUDIO(タヌキ スタジオ)」に行ってきました

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今回は多摩市貝取にある「TANUKI STUDIO(タヌキ スタジオ)」に行ってきました。

こちらは2022年1月にオープンしたアパレルショップとカフェが併設されたお店です。

シンプルでおしゃれな雰囲気の店内です。

こちらのお店は多摩市出身で、アパレルブランドを経営している飯塚徹哉さんと、新潟県で生まれ、すぐに多摩市に移住し現在は帽子ブランドを経営している弦巻史也さんが共同で経営しています。

おふたりは多摩市で育ち、10年前に共通の友人を通して知り合いました。

飯塚さんが「いつか地元で何かやりたいな」と多摩市で物件を探している最中、弦巻さんにも相談したところ、一緒にお店をやろうということになり、アパレルとカフェが一緒になった「TANUKI STUDIO」をオープンさせたといいます。

飯塚さんは多摩市でよく見かける「タヌキ」をモチーフにした多摩市発のアパレルブランド「タヌキ スタジオ」を立ち上げ、こちらで商品を販売しています。

かわいいタヌキのデザインも飯塚さんと親交のある多摩市出身のデザイナーの方がデザインされたそうです。

タヌキのワッペンがついたTシャツやパンツ、スウェット、ニット、ソックス、キッズ向けなどの商品がずらりと並びます。その数はおよそ50。

公式HPからも購入できます。

お客さんからの反応も上々で、北海道や大阪など国内各地だけでなく、アメリカなど海外から足を運ぶ方もいらっしゃるそうです。

弦巻さんは、以前から「いつかはカフェをやりたい」と思っていたことから、この店を開くにあたり約1年間修行して技術を習得。

同じ店舗内にカフェ「Distar Coffee」を併設して、エスプレッソをメインとしたニューシアトル系のカフェメニューを販売しています。
※TANUKI STUDIO(タヌキスタジオ)ではタヌキの形をしたマドレーヌを販売しています

この日はおすすめの「アイスラテ」をいただきました。こちらのお店では極限まで焙煎した深煎りのオリジナルブレンドコーヒー豆を使用し、ミルクの上からエスプレッソを淹れることでグラデーションが生まれて、飲む場所で味わいが変わるおいしいアイスラテになっています。

「ホットラテ」もいただきましたがミルクの甘味と融合して、アイスラテとはまた違った味わいでおいしかったです。

最近は若いお客さんだけではなく、周りにお住まいの方もコーヒーを飲みに来てくれるそうです。

(左から)飯塚徹哉さんと弦巻史也さん

飯塚さんは「オープン当時はコロナ禍でしたが、少しでも地元を盛り上げられたらいいなと思い自分たちの店を開きました。ただやるだけじゃなく、ビジネスとして成功させて、私もやりたいって人が増えてくれば、この地域全体がもっと盛り上がるかなと思っています」と話していました。

今年(2023年)には、2号店のオープンを予定していて、現在準備を進めているそうです。

多摩市で育ったふたりが手掛ける多摩市発のアパレルとカフェ。ぜひ一度、訪れてみてください。

TANUKI STUDIO

住所:東京都多摩市貝取1441-1 永山ビル
アクセス:小田急線・京王線「永山駅」から徒歩9分
営業時間:月・木・金10:00〜14:00(アパレル・カフェ)土 11:00〜17:00(アパレルのみ)
定休日:火・水・日
Distar Coffee
Web : https://distar.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/distarcoffee/

TANUKI STUDIO™️
Web : https://tanukistudio.jp/
Instagram : instagram.com/tanuki.studio.tokyo/