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多摩モノまつりin立川での出会い 〜 FARM BAKERY(ファームベーカリー)〜

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先日、多摩センター駅からモノレールに乗って、立川市で開催の「多摩モノまつり」に行ってきました。今回はそこでの素敵な出会いをご紹介したいと思います。

窓から見える景色に子どもは釘付け。多摩モノレールは走行路(軌道けた)が高架になっており、目線が高く、街中をふわふわ飛んでいるような感覚になります。

多摩都市モノレール線は、立川市にある多摩都市モノレール株式会社が運営する路線であり、東京都東大和市の上北台駅から多摩市の多摩センター駅間を走っています。

多摩都市モノレール本社がある立川市、高松駅に到着しました。

 

 

普段見られないような運転台や、モノレール車庫入れの様子など、子どもたちは大喜び。

 

 

 

フードエリアの一角では後援自治体(八王子市、立川市、日野市、東大和市、多摩市) のテントが並んでおり、我らが多摩市のブースを発見。

 

多摩市がホストタウンを務めるアイスランドをフィーチャーしたブースになっていました。

 

 

アイスランドに馴染みの深い焼き菓子が並んでいます。

 

その他、美味しそうなパンもずらり。あんぱん、メロンパン、ハムチーズパン、ウィンナーパン、カレーパン・・・迷いに迷って、メロンパンとポテトフォカッチャを購入。

焼き菓子やパンはすべて、多摩市内で活動する「Farm Bakery(ファームベーカリー)」作。以前取材したシェアキッチン (カドキッチン)を月に2〜3回利用して活動しているパン屋さんです。

私たちが到着したお昼過ぎには、すでに完売している商品もある人気ぶり。出足が遅かったようです。

 

『Farm Bakery』として活動する 田代 京子(たしろ きょうこ)さんと畔上 夏海(あぜがみなつみ)さんお二人にお話を伺いました。

写真:田代 京子さん(左)、畔上 夏海さん(右)

田代さんにパン屋を始めたきっかけを伺うと、「50歳過ぎて、30年以上勤めた仕事場を離れたんです。体調を崩して精神的にも参っていました。退職後第二の人生を模索し、兼ねてから興味があった食、特にパン作りに焦点が合い、思い切って社会人向けの専門学校(リライブフードアカデミー)に1年間通うことに。最初の半年は初心者向けの製パン技術習得コースを、後半の半年でもっと専門的なプロ向けのコースを受講しました。週1回朝から夜までパン作りに没頭し、パンを捏ねていると無心になれることに気づいて、それまでクヨクヨ悩んでいたことが晴れていくようでした」同時期に同じコースを受講していた仲間の1人が畔上さんだったとのこと。

「母がお菓子作りが好きで、私は食べる専門でした」と畔上さん。「小さい頃にパン屋さんに行った温かくて幸せな記憶も残っていて、その記憶に引かれるようにベーカリーカフェでアルバイト。製パンも勉強したいと思うようになり学校へ通い始めました。同じコースで学ぶ中、田代さんは自分のやりたいことを実際に行動に起こして前に進んでいく姿がとても眩しかったです。そんな田代さんと、自分も何か一緒にやりたいと思ったのは必然の流れでした」

学校のコースが半年終わった頃、田代さんは食品衛生責任者の資格をとり、シェアキッチンを利用してパンの受注販売を始めます。クラスメイトとして共に学び、偶然家も近かった畔上さんもその活動に加わり『Farm Bakery』を結成。「田代の田、畔上の畔、どちらもFarm=農に関係することから、『Farm Bakery』という名前にしました」田代さんは笑う。


「前職のつながりで、知り合いにこんなことやりたいと話して回ったら、みんな面白がってくれて、パンの注文が少しづつ増えていきました。今では二人で朝7時から15時の間に分担して11種類のパン約250個ほどを焼き上げ、それを車で配達して回るというスタイルでやらせてもらっています」と田代さん。「パンを受け取ってくださる方々の笑顔が何よりの喜びです」と笑う畔上さん。

(写真:本人提供)

Farm  Bakeryの今後について伺うと、「実は『Farm Bakery』は年内で解消し、来年からはそれぞれの道に進むことが決まっているんです」と田代さん。田代さんも畔上さんもそれぞれ開業を目指して準備を進めているとのこと。
「長年福祉の仕事をしてきたこともあり、地域の皆さん、特に子育て世代が、安心して集える場所を作りたいんです。パンはあくまでツールの一つであり、カフェとして開放したり、味噌仕込みや梅ジュース作りなど、四季折々の手仕事や知恵を次世代に伝える場であれたらと思っています。ここだと思えるいい物件も見つかり、今は新しいお店作りのことで期待に胸が膨らんでいます」と目を輝かせる田代さん。

畔上さんも「田代さんの勇気に引っ張られるように一緒に活動させてもらっていましたが、今はその勇気に背中を押され、私も自分でお店を持つという夢にチャレンジしてみようと思うようになりました。まだ少し先になりますが自分のペースで進んでいければと思っています」

お二人によるとパンは非常に繊細な生き物で、外的要因(室温や湿度など)によって左右され、適切に加水したり、パンの様子に常に気を配る必要があるんだとか。それ以外にも、作り手の気持ちも出来上がりにしっかり反映されるそう。「とあるパン屋に1人の子どもがパンを買いにきました。その子は店の常連で、店主が並べたパンをいつものように眺めると『おじさん今日のパンは笑ってないね』と一言。」

「この話は私たちがパン作りを学んだ学校の先生から、作り手としての心構えやお客様に対する心遣いを教えてもらう中で聞いたエピソードのひとつです。その先生との出会いも含めて、私たちはいろんなものや人との繋がり、全てがあってこその存在であり、そこに感謝できているか、ちゃんと心が通っているかどうか、パンを捏ねる時の”思い”は発酵具合や焼き上がりにそのまま影響します。見た時、触れた時、食べた時、それは確実に相手に伝わるんです。だからこそ、自分たちが元気に楽しく笑顔で精一杯生きること、それができることに日々感謝すること、それが何よりも大切なんですよね」と田代さん。

今後のそれぞれの活躍を期待すると共に、私たちもお二人が作る”ニコニコ笑顔の幸せパン”にいつかどこかで出会い、その有り難みに気づけるだけの心を持ち合わせていますようにーー。

Farm Bakery (ファームベーカリー)

※ 2023年12月21日で2人の活動は終了し、2024年2月より田代さんひとりでのカドキッチン多摩で販売。詳細はインスタでお知らせしています。

 

カドキッチン多摩

◆ Instagram:https://www.instagram.com/kado.kitchen

◆ 公式HP: https://www.kadokitchen.com/

【住所】東京都多摩市百草1146−1稲荷塚コーポラス 106号室

【アクセス】京王バス(聖蹟桜ヶ丘駅9番から乗車)落川バス停下車徒歩5分 (多摩センター駅5番から乗車)愛宕東バス停下車徒歩6分

   ※ 駐車場2台分あります

少人数制会員シェアキッチン 『カドキッチン多摩』 に行ってきました

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車通りの多い道から外れた住宅街にある小さな曲がり角、ひっそり佇むどこか懐かしい、小さなアパートの角。

 

今回は、多摩市百草にある会員制のシェアキッチン  『カドキッチン多摩』さん に伺いました。

 

元々6畳間だったアパートの一室を改装し、キッチンスペースとカフェ・販売スペースに仕切ってそれぞれレンタルされています。

3畳スペースのキッチンには業務用ガスオーブンや、電子オーブンレンジをはじめ、冷蔵庫、パワーブレンダーやミキサー、スケールやふるい、包丁、泡立て器、軽量カップ、キッチンタイマー等、初心者もプロも満足できるキッチン用具があれこれ。

お菓子の試作品作り、イベントやネットショップ販売のための仕込み、隣接のカフェスペースを利用した1dayカフェ・・・可能性は無限に広がります。利用者はプロの料理講師、飲食店開業を考えているスタートアップの方、主婦、学生等、幅広い。菓子製造許可及び、軽飲食店営業許可を取得しており、爽やかなターコイズブルーの扉を隔てて、カフェスペースがあります。

 

所々にあしらわれた猫モチーフや差し色の青に癒される、隠れ家のような落ち着く空間です。

ここの何よりの魅力は、日によって、利用される方によって変わる、スペース内の空気感。

 

この日のキッチンからは焼き菓子の甘い、いい香り。

 

看板には『こころとからだがよろこぶ 米粉のおやつ 空羽(くう)』の文字。

グルテンフリー、アルミフリー、白砂糖フリー、素材に拘った優しい甘さの手作りおやつ屋さんの出店日でした。米粉で作ったシフォンケーキやパウンドケーキ、台湾カステラなどが人気とのこと。

店主は、月1〜2回のペースでキッチンを利用しているという、市内在住の辻原 久美子さん。

辻原さんは2児のお母さんでもあり、一時期 産後うつ、育児ノイローゼ、摂食障害等に苦しんだこともあるとか・・・

たくさんの学びや出会いを通してようやく暗いトンネルを抜け、長年育んだ ”夢” の実現に向けて一歩を踏み出したそうです。

「慌ただしい日常の中で、ほっとくつろぐ時間のお供になるおやつをお届けできたら」と話す辻原さん。

庭先から靴を脱いで店内に入るスタイルは、

他所のお宅に縁側からお邪魔するようで、懐かしい気持ちになります。

辻原さんを頼りに市内外から初めてここを訪れるお子さん連れの他、ご近所に住む『カドキッチン』の常連さん、オープンに合わせてお客さんがやってきました。

「赤ちゃんが生まれる前に買いにきました。」

嬉しそうに笑うお母さん。

「とっても美味しい!」

焼きたてを試食して飛び跳ねる小さな兄弟。

 

「お団子屋さん、パン屋さん、お菓子屋さん、ここでいろんなお店が開くたびに買いに来てます。今日もカドキッチンさんのInstagramを見て来ました!」

 

みんな幸せをたずさえ帰ってゆきます。

 

 

「この場所は、コロナ禍で社会が経済的にも、人同士の繋がりとしても、閉鎖し困窮していたことから始めたんです。」

『カドキッチン多摩』のオーナー 大友 聡さんにお話を伺いました。

コロナ禍のような人の流れも経済も止まってしまう大変な時であっても、地消地産の小さい経済を生み出すことで、”夢”を持てる社会にしたかったと言います。

 

「夢がある人を応援すると同時に、限られた条件であっても、人と人とがコミュニケーションでき、交流できる場というのを作りたかったんです。」

 

本業の翻訳家をする傍ら、ゲストハウスの運営やシェアキッチンの運営を始めたのが2年前。

『カドキッチン多摩』から始めて、着実にファンと自信、実力をつけ、卒業していった元利用者さんたちのその後を誇らしげに語ってくれた大友さん。

 

「この場所の卒業生が何よりの自慢なんです。」

 

最後に、大友さんの “夢”を尋ねると、

「この場所をもう少しお店っぽくできたらいいですね、軒先にストライプのオーニングを張ったり、あとは電気工事とか 笑」

そんな堅実な計画に加えて、壮大な “夢” もこっそり教えてくれました。

「次は、夢がある学校をつくりたいなあ。」

<カドキッチン多摩のオーナー (左から)大友ひとみさん、大友 聡さん>

 

カドキッチン多摩

【住所】東京都多摩市百草1146−1稲荷塚コーポラス 106号室

【アクセス】京王バス(聖蹟桜ヶ丘駅9番から乗車)落川バス停下車徒歩5分 (多摩センター駅5番から乗車)愛宕東バス停下車徒歩6分

   ※ 駐車場2台分あります

◆ Instagram:https://www.instagram.com/kado.kitchen

◆ 公式HP: https://www.kadokitchen.com/

*キッチン設備・内部の様子 写真提供:カドキッチン多摩