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パルテノン多摩ミュージアム「多摩市百草 恋路稲荷神社の秘密」に行ってきました。

まち歩きレポート No Comments

 

多摩センター駅から徒歩5分の場所に位置するパルテノン多摩2階のパルテノン多摩ミュージアムにて開催している「多摩市百草 恋路稲荷神社の秘密」を見てきました。2024年11月13日(水)にスタートして、6月8日(日)まで公開とのこと(入場無料)。

 

元々多摩市百草にあった稲荷塚古墳の上に鎮座してきた恋路稲荷神社ですが、令和4(2022)年、神社の維持管理と古墳の保存活用のため、隣接地に縮小移転されました。その際、江戸時代中期から後期に神社の近くにあったと言い伝えられてきた黄檗(おうばく)宗の寺院「資福(しふく)院」に関する木札などを社殿で発見。仏像の正面につり下げられる鰐(わに)口や、祠(ほこら)なども見つかり、社殿に伝来した多くの資料は多摩市教育委員会に寄贈されました。今回の展示では、恋路稲荷神社伝来資料や稲荷塚古墳周溝からの出土物の一部を紹介し、現時点までに明らかになっている恋路稲荷神社の秘密に迫っています。

入口のモニターでは、古墳上に鎮座していた恋路稲荷神社の様子をコンピューターシミュレーションで見ることができました。中に進むと、恋路稲荷神社に伝来したさまざまな資料が展示されていました。

神社が鎮座していた稲荷塚古墳の周溝部から出土した土器片の一部や、古墳周囲にあった井戸から出土した陶磁器を前に、神社が辿ってきた歴史に思いを馳せます。

社殿内に祀られていた祠や木札も展示されていました。

 

 

祠と共に展示されていた猿や狐、大黒天や恵比寿像の置物の素朴さが愛らしく、地域住民を長らく静かに見守ってきた神社の在り方と重なるようでした。

こちらは、神社の屋根に装飾されていた狐の板だそう、祠と同じ落ち着いた紅色が美しかったです。

 

 

神社に奉納されたという幟や紅白の布などもありました。

実寸大の印刷模写が壁に掲示されており、実際の幟は折りたたんでケース内に展示してありました。

狐2匹が向かい合った向かい狐と呼ばれる伝統的なモチーフの小絵馬も歴史を感じます。

 

こちらは、恋路稲荷神社の社殿内に紐とともに保管されていた鰐口(神社や寺院の軒先で紐を使って参拝者が打ち鳴らすもの)。

今回の展示では、神社の秘密にとどまらず、神社があった土地「百草村飛地」がたどった歴史やくらしも垣間見ることができました。神社には、共有膳椀(祝い事や法事で皆が飲食する際に用いる共有の腕膳)も保管されていたようで、恋路稲荷神社で執り行われたであろう宴の様子が目に浮かびました。

また、元々神社があった付近には、「黄檗宗」の「資福院」というお寺があったとのこと。神社に保管されていた伝来資料により、黄檗寺院「資福院」が修験「満蔵院」とかかわりがあったことも明らかになっています。恋路稲荷神社を入口に、知られざる世界に触れることができました。

 

 

 

こちらの企画展は2024年11月13(水)から2025年6月8日(日)まで多摩市落合のパルテノン多摩ミュージアムで無料公開しています。会期中には学芸員による展示解説や特別講師を迎えての講演会も開催しています。詳細と開催日時については「多摩市百草 恋路稲荷神社の秘密」をご覧ください。

 

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後日、現在の恋路稲荷神社の様子を旧百草村(現・日野市)まで実際に見に行ってまいりました。

元々神社があった場所はこちら、稲城塚古墳の上です。

 

“古墳とは、土を盛り上げて作られた墳丘をもつ有力者の墓で、3世紀の末頃から8世紀の初め頃にかけての約100年間に、全国で15万基ほどつくられたと言われています。この稲荷塚古墳は、7世紀の前半頃につくられたものとみられ、古墳の形は全国的にも珍しい八角形と考えられます。全長38m、高さ約4m(元の高さ)、周溝幅約2m。~中略~  稲荷塚古墳の石室は、木造の覆屋で露出公開してまいりましたが、非常にもろい石材でつくられており、傷みが激しくなってきたことから、薬品などによる保存修理を行い、埋め戻して保護することになりました。”    東京都指定史跡 稲荷塚古墳  説明板より

小さな階段を登ると古墳があったとされる場所に立つことができます。石室が埋まっている位置はブロック舗装で示してあり、ちょうど真ん中あたりに恋路稲荷神社が鎮座していたとのことです。

現在、神社は古墳跡から少し離れた場所に移転されています。朱色の小さな鳥居が見えます。

 

 

 

古から現代へと、稲荷塚古墳と恋路稲荷神社が辿ってきた変遷と、そこに祀られる目に見えない存在とそれを抱くこの土地に手を合わせ、明るい未来を願うのでした。

 

 

【パルテノン多摩ミュージアム】

多摩市複合文化施設 パルテノン多摩 2階
(パルテノン多摩共同事業体)
住所:〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
電話::042-375-1414(代表)
HP: https://www.parthenon.or.jp/museum

**京王相模原線、小田急多摩線、 多摩モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分
アクセス詳細は>> https://www.parthenon.or.jp/access/

 

【恋路稲荷神社(稲荷塚古墳跡)】

住所:〒206-0004 東京都多摩市百草1140

 

ハローキティ50周年記念イベントin多摩センター 謎解きゲームに挑戦。

イベント・トピックス, まち歩きレポート No Comments

多摩市では、平成14年からハローキティや(株)サンリオと協力し、「ハローキティにあえる街 多摩センター」として、サンリオピューロランドが立地する多摩センターを中心にさまざまな取り組みをしてきました。

2024年11月1日に50周年を迎えたハローキティのお誕生日をお祝いする催しが開催されました。その催しの一つ『多摩市謎解き街歩きゲーム TAMA NAKAYOKU WALKING』に子どもたちと一緒に挑戦しました。

<イベント趣旨>
ある日、キティとミミィが多摩センターを散歩していました。二人にとって多摩センターは特別な街。今日はどこに行こうか?二人で話しながら歩いていると、
一枚のお手紙がひらひらと飛んできました。”地図・・・?”中には、地図と、なにやらなぞなぞのようなものが描かれていました。なになに?ここに行ってってこと・・・?行ってみよう!!

多摩市謎解き街歩きゲーム 参加方法: 地図にある多摩センターの各スポット(3ヶ所)を巡り、なぞなぞ問題が書いてあるポスターを探します。全部の回答マスを埋めると合言葉となるキーワードを知ることができ、ゴールでその合言葉を言うと、ノベルティ缶バッジがもらえます。

 

 

最初にマップ&解答用紙を入手するために、多摩市立中央図書館へ。中央図書館は、2023年7月1日に開館したばかりの多摩市内で一番大きく新しい図書館です。

 

無事にマップを入手。作戦会議をするため、図書館内にあるカフェれすと モモに立ち寄りました。

おむすびセットとカレーライスで謎解き前の腹ごしらえをしながら「ゴールはこの図書館なんだね。」「最初はどこへ行く?」と地図を見ながら、3つのスポットをどう歩いて回ろうか、悩みます。

 

作戦会議を終え外に出ると、11月中旬とは思えないほどの温かさ。上着を脱ぎ、軽装でいざ謎解きの旅へ。

スタートした途端、中央公園の池の魚や亀に夢中でなかなか動きません。やっと歩き始めたと思ったら、「見て!キティちゃん、可愛いー」と再度足が止まります。足元を見ると「ロードバイクハローキティデザイン」のマンホール蓋。

数歩歩いては立ち止まり、階段があればじゃんけんして「グリコ」が始まります。この調子だと、ゴールまで長い道のりになりそうな予感・・・(^^;)

 

 

なんとか最初の目的地パルテノン多摩にある「クリキャン企画室(クリエイティブキャンパス企画室)」に無事到着。「ポスターどこかなあ?」「クリキャンって何?」と首を傾げる子どもたち。

 

クリエイティブキャンパス企画室 =通称 “クリキャン企画室 “の役割

① プレイスメイキングの企画調整

② そのプレイスメイキングに取り組む市民・団体の支援

③ 多摩センターエリアの情報収集・発信

※プレイスメイキングとは、空間の居心地が良くなり、楽しいコンテンツが生まれ育ち、賑わいが生まれ魅力が増し、そしてまちの価値が上がっていくことを言います。

企画室内には、シティサロンスペース、受付カウンター、打ち合わせスペースがあります。

なぞなぞが描かれたポスター見つけて、問題を解き、クリキャン企画室を後にします。

 

 

大階段を降りたところで、ハローキティ50周年記念の大きなモニュメントを発見し記念撮影📷。そのままパルテノン大通りを歩き、多摩センター駅へ。

子ども達も普段よく利用する京王多摩センター駅ですが、改札口前の天井照明をまじまじと見上げ、お互いのお気に入りキャラクターを当てっこしていました。

 

 

多摩センター駅を東口方面に進み、静かな通りに出ると「こっちであってる?」と少し不安になる子どもたち。地図とヒントを手がかりに歩みを進めます。子どもたちの足だとなかなかの距離ですが頑張って歩きます。

 

しばらく行くと地図が示す場所にようやく到着!「何これー!?」と初めて訪れた不思議な場所に興味津々。

 

建物をぐるりと回って問題がかかれたポスターを発見。

問題を解いてそのまま次のスポットに行こうか迷いましたが、どうしても気になり立ち寄ることに。

 

 

 

 

東京都立埋蔵文化財調査センターに隣接する遺跡庭園「縄文の村」は縄文当時の多摩丘陵の景観を復元、庭園内に3棟の復元竪穴住居があり、週に数回(主に週末)、住居内で焚火を行っています。

静かな庭園で、太古に流れていたであろう時間や空気に思いを馳せます。

 

庭園を見るだけでは飽き足らず、展示ホールの中へ。

工夫を凝らした展示・体験コーナーを通して縄文文化に夢中で触れる子どもたち。

 

石でどんぐり等木の実をすりつぶすコーナーや、縄や竹・貝などを使って縄文土器の模様を粘土版に再現するコーナーは、自宅でも真似したい遊びでした。

子ども達のお気に入りは、火おこし体験と縄文土器パズル。パズルは樹脂製の土器片レプリカの中に、磁石が埋め込まれており、立体的に組み上げていくことができます。

難易度が簡単なものから難しいもの数パターンあり、砂時計を使って、時間内に出来上がるよう何度も挑戦していました。

 

その他、遺跡の模型や縄文ファッションコーナー。

独特の形や模様の縄文土器もたくさん展示してありました。

 

まだまだ遊んでいたかったですが、3つ目のスポットに向けて出発。手元の地図に書かれたヒントを手がかりに最終スポットを探し歩きます。

 

3つ目のスポットは、多摩センター駅から更に離れ、京王線・小田急線の線路と乞田川の間にあるL字型の小さな公園「長久保公園」にありました。

最後の問題はなかなかの難問でしばらく悩んでなんとか解けました。

公園で遊んだあとは、川沿いのベンチに座ってしばし休憩。

川沿いの桜の樹々の葉は桜紅葉(さくらもみじ)色にほんのり色づいていました。春に咲く淡いピンクの花とは違う桜の姿をしばし楽しみました。

「今日はたくさん歩いたね」「春になったらお弁当とおやつ持って来ようね」と話す子どもたち。「そろそろ帰ろうか・・・」だんだん陽が落ちてきたので、ゴールの中央図書館に向かって歩き始めます。ゴールまであと少し。

帰り道には、スタート時に見つけたデザインとは違うマンホール蓋も発見しました。こちらは「雨上がりハローキティデザイン」。(もう一つの「お天気雨ハローキティデザイン」マンホール蓋は見つけられず、また別の機会に探したいと思います。読者の皆さんも是非探してみてくださいね。詳しくはこちらから。)

 

なかなか歩きごたえがあった今回の謎解きおさんぽコース。ようやく中央図書館に戻ってきました。

 

 

図書館のカウンターで合言葉を言い、ノベルティ缶バッジを手にすることができました。

「キティちゃんお誕生日おめでとう。楽しい時間をありがとう。」子ども達の小さな冒険が終わります。このまちの新たな顔と魅力を発見できました。

すっかり陽も落ちた頃、心地よい疲労感と共に、多摩センター駅を後にしました。行きは京王線だったので、帰りは小田急線に揺られて・・・。

 

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クリエイティブキャンパス企画室

住所:多摩市落合2丁目35パルテノン多摩東棟5階

開館日:原則として月曜・木曜・土曜・日曜
9時~17時(年末年始は除く)

 

東京都立埋蔵文化調査センター・遺跡庭園「縄文の村」

Tokyo Metropolitan Archaeological Center

 住所:東京都多摩市落合1-14-2
開館時間:午前9時30分から午後5時00分まで
 11月〜2月は遺跡庭園「縄文の村」のみ午後4時30分まで
入場料: 無料

 

長久保公園 ※犬の同伴可

住所:東京都多摩市落合1丁目5−16