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令和サバイバー養成キャンプ by Resilient Life Project

 

去る5月18日(土) せいせきカワマチ(多摩川河川敷芝生広場)で開催された「令和サバイバー養成キャンプ」に参加してきました!40人ほどの参加者が5~6人のグループに分かれて自然災害や社会や個人に起因するリスク下において「生きる力」を楽しみながら学ぶというこの企画。筆者は小4と4歳の娘と3人で参加してまいりました。

〜令和サバイバー養成CMAP 虎の巻より〜

地震、台風、人間関係・・・、令和の時代はリスクだらけ。南海トラフや首都直下などの巨大地震発生や自然災害も気になるけれど、職場やご近所の人間関係にともなう個人のリスクや、高齢化、過疎化・デジタル化など急激に変化する社会のリスクも・・・。私たちはかつてないほど様々なリスクに囲まれています。初めて会う人と、限られた道具で協力し合い、様々なピンチを楽しくポジティブに乗り越える。

<いまを生き抜くために大切な3つの要素 >

① 仲間づくり:周りの人の得意や強みをよく知り、信頼関係を構築できること

② 快適な環境づくり:限られた条件下でも自分・家族・仲間が快適な環境を作れること

③ 心身の健康づくり:健康的な食事を、仲間や家族と共に作り、楽しめること

 

イベントファシリテーターの挨拶に始まり、リーダーたちの紹介から「仲間づくり実践パート」が始まりました。

自己紹介を通してグループメンバーとお近づきに。

① 自分の名前を紹介

②あだ名と得意なこと・苦手なことを紹介 (名前や所属・肩書きだけでなく、個人的な話を加えることで互いの印象が深まり、距離が縮まるという、初対面の人と人間関係を構築するための大切なポイント)

③ クイズ形式で他己紹介

④ グループメンバーと相談してチーム名とチームリーダーを決める

私たちのグループは、自己紹介の中でゲーム好きが多いことが判明し、ゲームにちなんだ名前にしようと相談。幼い子どもの声を聞いて「チームぽけもんバイオレット」となりました。大人、高校生、小学生、幼児と幅広い年齢層のグループをどうまとめていくのか実際に体験することができました。

「仲間作りパート」の終わりはリーダーが前に出てチーム名とその由来を発表。それぞれ個性豊かな名前が出揃い、それを聞くだけで、このグループにはこんな人たちがいるんだなと、このイベントに参加しているメンバー全体像を掴むことができました。自分たちが住んでいるコミュニティーの中で顔が見えない、名前も知らない時代になっている中、普段接点のない皆さんと同じ時を過ごせていることをとても嬉しく思いました。

グループ内の温度が温まってきたところで、次のパートに移行。二つ目は「快適な環境づくり」避難所などの限られた条件下でも自分・家族・仲間が快適な環境を作れることを学びました。災害時身近にあるものということで、段ボールで生活必需品<寝床(テント)・テーブル・イス・トイレ>を作りました。

グループメンバーと分担をして作業を進めます。

ダンボールテントの出来上がり!

 

テーブルとイスを並べて食卓が出来上がりました!

 

その他、段ボールでできたクーラーボックス(写真左)や簡易トイレ(写真右)の準備もありました。

段ボールに発泡スチロールを入れた保冷・保温ボックス。

段ボールの簡易トイレの中はこんな感じ。吸水シートはペットシートやおむつなどでも代用できそうです。避難時、トイレはどんなところに設置するのが良いかという話し合いの中では「臭いが気になるから住居スペースと離れたところ」「人目を避けた木陰など離れたところがよい」「女性や子どももいるのであまりひと気のない所や暗いところは逆に危険」といった声が上がりました。

次は熱中症対策にもなる経口補水液を手作り。材料は水、食塩、砂糖、レモン汁と一般家庭にあるものばかり。計量するものがなかったので、私たちグループはペットボトルの蓋を計量スプーン代わりに分量の見当をつけるという工夫も。作った後に味見をすると「甘くて美味しい」「もっと酸味が欲しい」「もっと塩気が欲しい」など味の感じ方が個々人違い、身体に不足しているもの、本能的に何を求めてるかで味覚に差があるのか、などみんなで興味深く考察。

その後はパネルを使って災害時に役に立ちそうな豆知識をお勉強して、最後のパート「心身の健康づくり」。災害時に備えて、電気もガスも使わずにご飯を炊きます。今回は新聞紙のみを燃料にご飯が炊けるという炊飯釜を使っての挑戦。

まずは、燃料になる新聞紙をねじって棒状に。子どもたちもねじねじお手伝いしました。

お米(今回は無洗米)と分量の水をお釜にセットして準備完了。

いざ着火。1分半間隔で新聞紙を投入して加熱していきます。

十分に沸いてきたところで徐々に火力を落とし、火が消えたら蓋を被せて蒸らします。

この災害用の釜ですが、不思議な形をしているなあと思っていたら、廃盤などで不要になった釜を再利用して開発したとのこと。既にある物を活かしたモノづくりの姿勢は暖衣飽食、物に溢れた現代に大切な精神だと思いました。

ご飯を蒸らしている間に、火も水も使わないおかず「シーチキンと切り干し大根のマヨネーズ和え」作りにも挑戦。全ての材料を保存袋に入れて揉んで混ぜるだけ。短時間で簡単に美味しい一品ができました。災害時に使えそうなレシピを普段から調べて、食に取り入れておくと、忙しい日常の中で時短にもなるし、いざという時に困らなくて済むと思いました。

ご飯が炊きあがり、歓声が上がります。みんなで美味しく「いただきまーす!」

 

小さい子どもやアレルギー持ちの方はもちろん、みんなそれぞれ好き嫌いもあり、周囲の人と「何が好き」「何が嫌い」「何が食べられない」など細かいことですが、互いにコミュニケーションを取ることも大切と思いました。もちろん実際の災害時には贅沢は言っていられない状況であるかもしれません。それでもそういう時こそみんなが心地よく美味しく食事できることがストレスが溜まらない秘訣だとも思うので、声を掛け合ってみんなで「同じ釜の飯を食べ仲間・家族になる」ことができるといいですよね。

 

なんでも買えばいい、なんでもあることが当たり前の生活の中で、限られたものの中でどう生きるかを学ぶいい機会となりました。また、スマホやパソコンなどデジタルなやり取りが増える現代、顔を見て言葉を交わし、時間を共にすることがどれだけ大切か実感しました。最終的に必要なのは、リアルな人と人との繋がりなんだと思います。