ニュースポーツで広がる交流の輪。総合体育館でニュースポーツを体験!
「運動を始めたいけれど、何から始めればいいかわからない・・」「激しいスポーツは少し不安」。
そんな方にぴったりなのが、多摩市立総合体育館で開催されている「ニュースポーツ体験教室」です。
この教室は、多摩市スポーツ推進委員協議会が主催し、多摩市スポーツ振興課の職員も一緒になって運営している取り組みです。会場では参加者同士だけでなく、スポーツ推進委員や市職員との自然な交流も生まれ、終始和やかな雰囲気に包まれていました。初心者でも気軽に参加できることが特徴で、申し込みは不要。当日会場に訪れて自由に参加できます。教室は年間を通じて複数回開催されており、令和8年度は4月から翌年3月まで全9回の開催が予定されています。
今回は「モルック」「ボッチャ」「ネオテニス」の3種目のニュースポーツを体験しました。
誰でも楽しめるニュースポーツとは?
ニュースポーツとは、「誰でも・どこでも・いつでも簡単に楽しめる」ことを目的として考案されたスポーツの総称です。年齢や体力に左右されにくく、特別な技術や経験がなくても気軽に参加できるのが特徴です。多摩市のニュースポーツ体験教室でも、ルール説明から丁寧に行われるため、初めての方でも安心して参加できます。
この日の参加者も、小学生からシニア世代まで実にさまざま。競技が始まると自然に会話が生まれ、「惜しい!」「ナイスショット!」と勝負しながらも互いに声を掛け合う姿が印象的でした。
白熱する頭脳戦「モルック」
モルックはフィンランド発祥のスポーツで、木製の棒「モルック」を投げ、番号が書かれた木のピン「スキットル」を倒して得点を競います。一見シンプルですが、実際にやってみると奥が深く、戦略性の高いスポーツでした。
ルールはとても分かりやすく、モルックを投げて倒れたスキットルが1本だけならそのスキットルに書かれた数字がそのまま得点になります。複数倒れた場合は、本数が得点になります。交互に投げていき先ににぴったり50点になったチームの勝利です。しかし、この「ちょうど50点」というのがポイント。
50点を超えてしまうと25点に戻ってしまうため、終盤になるほど単純に多く倒せばよいわけではありません。狙った数字を正確に倒すコントロールが求められます。
実際に体験してみると、これが思った以上に難しいのです。
「あと1点で50点!」という絶好のチャンスで2本倒してしまったり、逆に狙いすぎて1本も倒せなかったり。参加者からも思わず笑いや歓声が上がり、終始和やかな雰囲気でした。

さらに、倒されたスキットルはその場所にそのまま立て直されるため、ゲームが進むにつれてピンが広範囲に散らばっていきます。最初は一か所に集まっていたスキットルとの距離は3.5m。終盤になるにつれ距離が遠くなり、正確性が求められるようになるため、投げる度に難易度が上がっていく印象でした。

私自身、最初は「木の棒を投げるだけなら簡単そう」と思っていましたが、実際に体験すると、一回床にバウンドした後に変則的な動きをしたり、力加減や得点計算など考えることが多く、気付けばすっかり夢中に。運動能力だけではなく、戦略や判断力も重要なため、子どもと大人が対等に勝負できるところも魅力だと感じました。
ボウリングやダーツのように得点を積み重ねる楽しさと、チームゲームの一体感を組み合わせたようなスポーツでした。
パラスポーツとしても親しまれる「ボッチャ」
ボッチャは、「ジャックボール」と呼ばれる目標の白いボールに向かって、赤チームと青チームに分かれ、それぞれのボールを投げたり転がしたりしながら、どれだけ近づけられるかを競う競技です。
東京2020パラリンピックをきっかけに広く知られるようになり、多摩市でもボッチャ大会が開催されるなど広く親しまれているスポーツになります。
モルックのように交互に投げるのではなく、ジャックボールに一番近くにあるボールが赤色であれば、青チームが投げ、青色であれば赤チームが投げます。そのため自チームのボールを投げても、相手チームよりジャックボールに近付けられなければ、再度投げることになります。
実際にプレーしてみると、力よりもコース取りや距離感が重要です。
相手のボールを弾いたり、ボールを投げるときに回転を加えてその場に留まるように工夫したりと、その様子はまるでカーリング。あえて目標となるジャックボールを動かすなど多様な戦略が立てられます。
最終的にお互いにすべてのボールを投げ終えた後、ジャックボールから距離が近いボールが相手よりどれだけあるかによって点数が決まります。写真では、青いボールよりもジャックボールに近い赤いボールが2球あることから、赤チームに2点入ることになります。
一投ごとに試合展開が大きく変わるため、見ている人も自然と熱が入ります。「惜しい!」「今のショットはすごい!」と大盛り上がりでした。
軽快なラリーが楽しい「ネオテニス」
ネオテニスは、野球ボールよりも少し大きめ(直径8mm)のスポンジ製のボールとバドミントンのラケットを使用するニュースポーツです。テニスよりもスピードが抑えられ、コートもコンパクト。スポンジボールで当たっても痛くないため、お子さんも一緒に楽しめるのも魅力です。

ただボールは大きいものの、打つ場所(フェイス)が持ち手から離れていることに難しさを感じる方もいらっしゃいました。それでも慣れてくると初めてラケットを握る方でもラリーが続けており、達成感を味わいやすいのが特徴です。
実際に会場では、初対面同士でも自然にペアを組み、笑顔でラリーを続ける様子が見られました。競技経験の有無に関係なく楽しめるため、生涯スポーツとしても魅力的です。
”配慮”にあふれた体験教室
普段は体験できないような珍しい競技に目を引きますが、「ニュースポーツ体験教室」の魅力はそれだけではありません。実際に参加すると”配慮”で溢れていました。
競技を始める前には全員で体操を実施。体をしっかりほぐしてからプレーすることで、けがの予防にも配慮されていました。さらに教室の途中には全体で休憩時間が設けられ、参加者へ積極的に水分補給を呼び掛けるなど、体調管理にも細やかな気遣いが感じられました。
またゲームの合間には、「水分摂ってね」などの声が至る所で聞こえ、互いに気に掛け合う空気感が出来上がっていました。
ただスポーツを楽しむだけではなく、参加者が安心して活動できる環境づくりまで含めて、多摩市のニュースポーツ体験教室の魅力だと感じました。
勝ち負けを超えて楽しめる場所

モルック、ボッチャ、ネオテニスにはそれぞれ異なる面白さがありましたが、共通していたのは「誰かと一緒に楽しむこと」を大切にしたスポーツであることでした。今回のニュースポーツ体験教室で特に印象的だったのは、競技そのものだけでなく、スポーツを通じて人と人との距離を自然に縮めてくれる場になっていたことです。
初心者も経験者も一緒になり、初対面でも関係なく、同じチームとして同じスポーツに熱中する。
ニュースポーツ体験教室の会場に流れていたのは、勝敗にこだわり過ぎる緊張感ではなく、「みんなで楽しもう!」という温かな空気感です。
多摩市には、こうしたスポーツをきっかけに人と人とがつながり、新しい挑戦に出会える場があります。何気ない休日の午前中が、思いがけない交流の時間になる。
そんな地域の魅力が詰まったニュースポーツ体験教室へ、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
